では、富裕層とは逆に、「金融資産がまったくない」という世帯はどれくらいいるのでしょうか。金融広報中央委員会が18年に公表した「平成30年(2018年) 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査][単身世帯調査]」によれば、金融資産を保有する世帯・保有していない世帯の割合は下記となっています。

金融資産保有状況

単身世帯・・・・・保有している:61.4%、保有していない38.6%

2人以上世帯・・・保有している:77.3%、保有していない22.7%

2人以上世帯のうち、金融資産を保有していない割合は2割程度。一方、単身世帯の4割ほどが金融資産を保有していない状況であることがわかります。

なお、この調査における金融資産には預貯金や有価証券、各種保険や金融商品などが含まれ、事業用の金融資産や土地・住宅などの実物資産は含みません。預貯金は運用または将来に備える蓄えのみを対象としています。

(金融資産を保有していないとは、各問いで「金融資産をいずれも保有していない」を選択した世帯と、「預貯金のみ」を選択し「預貯金の合計残高」の「うち運用または将来の備え」がゼロと回答した世帯のこと)

お金持ちから学びたい習慣4選

貯蓄ゼロ世帯の人や貯金が少ない人が少しでも富裕層に近づくには、どのような習慣を身につけるとよいのでしょうか。お金持ちの習慣としてよく言われるものには、以下4つが挙げられます。

(1) 時間を有効活用している

お金持ちには早寝早起きをしている人が多くいます。まさに「タイム・イズ・マネー」。夜更かしや朝寝坊を習慣にしていると、時間を有効に使うことが難しくなりがち。まずは早寝早起きから心がけてみてはいかがでしょうか。

(2) 家計の収支を把握している

お金持ちは、動かすお金の額も大きく、金銭管理を徹底しなければ大きな損失を抱えるリスクもあるため、家計や事業の収支はしっかり把握している人が多いです。毎月何にいくら動いているかが把握できていない人は、まずは資産管理表や家計簿づくりから始めてみては?

(3) 健康管理を徹底している

お金持ちは、健康管理にも熱心。健康を失うと、治療費がかかってくるだけでなく、時間とビジネスチャンスも失いかねないからです。それにいくらお金があっても、満足に使えない状況では健康を失っては元も子もないですよね。健康管理への意識は高く持っておきましょう。

(4) 使うべきところにお金をかけている

「どこにお金を使うべきか」をしっかりと見極めているのも、お金持ちの特徴。身近な人や必要な相手・機会には惜しみなくお金をかける一方で、不必要なものには無駄使いはしない。持ち物も、長く使える質の良いものを選んでいることが多いです。我々も「安物買いの銭失い」をしていないかは、普段から気をつけたいものですね。

富裕層と「お金が貯まらない人」の違い

お金持ちとそうでない人の違いは、「金融リテラシー」の差も顕著です。「金融リテラシー」とは、お金と賢く付き合っていくうえで役立つ知識や判断力のこと。お金を貯めるには、高い金融リテラシーを身につけることが不可欠です。

上述した野村総合研究所の調査結果でも、お金持ちを親に持つ「親リッチ」のほうが、そうでない「非親リッチ」よりも金融リテラシーの水準が高いことが分かっています。親から受け継いだ資産を自分の代で失わないためには、豊富な金融の知識が必要になるのかもしれませんね。

まとめ

「お金持ちほどお金に関心を持ち、お金を大切にする傾向がある」という説もあり、実際に、お金がない人、貯金ができない人ほど、お金に対して無頓着な傾向も。日本ではお金の話がタブー視されることも多いので、お金にこだわるのが悪いことのように感じてしまう人もいるかもしれません。

しかし、親がお金持ちでない限り、お金にまったく関心を持たずにお金持ちになるのは難しいもの。お金持ちの人たちの意識にならい、普段からお金への意識は高く持ち、金融リテラシーもしっかり身につけていきましょう。

【参考】

『住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数』総務省

『家計の金融行動に関する世論調査』 知るぽると

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部