給付金を受け取るための手続き方法

では、この給付金を受け取るためには、どのような手続きが必要になるのでしょうか。

「手続きを忘れてしまいそうで不安」と感じる方もいるかもしれませんが、給付金の支給対象と判断された方には、日本年金機構から請求に関する書類が送られてきます。

基本的には、その書類に必要事項を記入して返送するだけで手続きが完了するため、難しく考える必要はありません。

ただし、対象となる方の年金の受給状況によって書類の形式や手続きのタイミングが異なりますので、3つのケースに分けて確認していきましょう。

ケース1:これから老齢年金の受給を開始する方

まだ年金を受け取っていない方には、受給開始年齢になる3ヶ月前に、年金の受給手続きに必要な「年金請求書(事前送付用)」が緑色の封筒で届きます。

この中に「年金生活者支援給付金請求書」が同封されています。

必要事項を記入し、年金の請求書と一緒に提出してください。ただし、請求書は年金の受給開始年齢に到達する誕生日の前日以降でないと提出できない点に注意が必要です。

ケース2:すでに年金を受給中の方

すでに基礎年金を受給している方でも、所得額の変動などによって新たに給付金の対象となることがあります。

そうした方々には、毎年9月1日からうす緑色の封筒で「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。

令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)7/9

令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

出典:日本年金機構「令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)の送付について」

はがきに必要事項を記入し、同封されている目隠しシールを貼り付けます。そして、差出人欄にご自身の住所・氏名を書き、切手を貼ってポストに投函すれば手続きは完了です。

※支給要件に該当するかどうか確認できない方には、A4サイズの請求書と、所得状況を確認するための「所得状況届」が届く場合があります。

ケース3:老齢基礎年金を繰上げ受給している方

年金生活者支援給付金の請求書封筒、繰上げ受給中の人用8/9

年金生活者支援給付金の請求書封筒、繰上げ受給中の人用

出典:日本年金機構「65歳の誕生日を迎えた方で、老齢基礎年金を繰上げ受給している方」

最後に、老齢基礎年金を繰上げ受給している方のケースです。

給付金の受給対象になると見込まれる場合、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月初旬)に、うすだいだい色の封筒で「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。

書類が届いたら、ケース2と同様に必要事項を記入し、目隠しシールを貼って切手を貼り、ポストに投函してください。

※このケースでも、支給要件の確認ができない方にはA4サイズの請求書と「所得状況届」が届くことがあります。

一度手続きをすれば、その後は支給要件を満たしている限り、自動的に給付金を受け取ることができます。

もし所得が増えるなどして支給要件を満たさなくなった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届き、給付金の支給は停止されます。

なお、2025年1月以降に65歳になり、日本年金機構から請求書(はがき型)が届いた方は、郵送だけでなく「電子申請」による提出も可能になっています。電子申請で提出した場合は、郵送での提出は不要です。

データで見るシニアの生活と公的年金の役割

年金だけで生活している高齢者世帯は、実はそれほど多くありません。

厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、収入が公的年金・恩給のみという世帯は全体の43.4%でした。

高齢者世帯の総所得に占める「公的年金・恩給」の割合別世帯構成9/9

高齢者世帯の総所得に占める「公的年金・恩給」の割合別世帯構成

出典:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況

  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が100%の世帯:43.4%
  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が80~100%未満の世帯:16.4%
  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が60~80%未満の世帯:15.2%
  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が40~60%未満の世帯:12.9%
  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が20~40%未満の世帯:8.2%
  • 総所得に占める公的年金・恩給の割合が20%未満の世帯:4.0%

このデータから、残りの56.6%の高齢者世帯は、公的年金や恩給以外の何らかの所得で生活費を補っていることがわかります。

公的年金だけで生活するのは難しい可能性も考え、早めに老後の生活設計を立てておくことが大切だといえるでしょう。

まとめ

この記事では、年金生活者支援給付金について、対象となる方の条件、給付額、手続きの方法などを詳しく解説しました。

ご自身で複雑な計算をする必要はなく、対象となる可能性のある方には日本年金機構から案内が届くため、手続きのし忘れの心配が少ないのは安心できる点です。

厚生労働省の調査からもわかるように、現代では公的年金だけで生活している世帯は半数以下となっています。

多くの方が働きながら収入を得たり、これまでの貯蓄を取り崩したりして生活費を補っています。

物価の上昇も続くなか、利用できる制度は積極的に活用したいものです。

まずはご自身がこの給付金の対象になるかを確認し、ゆとりあるセカンドライフを送るための一つのステップとしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

石津 大希