そのため、必要な老後資金を知り、それを目安にしてお金を貯めていくことは非常に重要です。何もわからないまま、もしくは人の言ったことを鵜呑みにしたまま老後を迎えて後悔した人もいるはずです。
年金をアテにしてほとんどお金を貯めない人もいますが、これからは年金に頼れる時代ではありません。現役時代のうちにどれだけ多くの資産を築いておくかがとても重要になります。老後の生活を守るためにも、老後資金として必要な金額がいくらなのかを把握しておきましょう。
よく紹介されているのは、現役時代の生活費に0.7を掛けて老後の必要資金を計算する方法です。つまり、現役時代よりも必要なお金が少なくなることになりますね。しかし、親の介護や自分自身の病気などの可能性もありますし、何より娯楽に充てられる時間が増えるわけです。
そう考えると、現役時代の7割の金額を見込むだけでは心配ではないでしょうか。どんな老後生活を送りたいかは千差万別なので、必要額も人によって変わってきます。自分の老後をどう生きるかも併せて考えておくと金額のイメージが湧きやすいでしょう。
教育と介護にかかるお金のことを考えているか
子どもを持つことを考えている人は、教育費についてもしっかり把握しておく必要があります。教育には想像以上にお金がかかりますし、介護もお金がかかるものです。また、教育費や介護費はその資金の性格上、節約することが難しく、急に必要になることもあるものです。
教育費は子どもの成長を見守りながら貯金していけばいいのですが、何かを我慢して金額を削ることしにくいでしょう。介護は不慮の病気やケガなどで急に必要になることもありますし、節約のためにと自宅で家族が介護することを選ぶ人もいるかもしれませんが、そうすると働き方やライフスタイルまで一変させてしまうことも少なくありません。
そのため、お金がかかるけれど節約が難しい教育費と介護費のことを考慮に入れてお金を準備しておくと、その後の生活に余裕が生まれてくるはずです。
自分の「お金を使うときのクセ」を知っているか
人生、自分とは一生付き合っていかなければなりません。そんな自分の「お金の使うときのクセ」を知っておくことが、お金で困らないための一番のヒントとなります。
自分がどういうときにお金の無駄遣いをしてしまうのか、衝動買いをしてしまうのか。また、貯金ができないと思っている人は自分がなぜ貯金ができないのか、どうしたら貯金ができるようになるのかなどと向き合ってみることが大切です。
自分のクセがわからない人は、1か月だけでも家計簿をつけてみてお金の流れや何にいくら使っているのか把握することと、普段から「自分はどういうときにお金を使いたくなるのか」「どういうときに衝動買いしてしまうのか」を考えて行動するようにしてみましょう。
まとめ
いかがでしたか。お金の準備をするには、やっておくべきことがまだまだたくさんあります。しかし、一気にすべてはできませんよね。まずは自分の生活を見直すこと、自分のお金との付き合い方を改めること、将来必要になりそうなお金を意識しておくこと、このあたりを中心にお金の準備を始めてみましょう。
大塚 ちえ