「アノマリー」とは、具体的な理論や根拠では説明不能にもかかわらず、経験則上よく的中する事象を指します。
振り返ってみると、確かに1度目のブーム直後に株価はバブル後最安値まで大幅下落し(1992年)、2度目のブーム直後はリーマンショックが起きています。
また、ブームとは言えないまでも人気急上昇となった2000年にはITバブル崩壊が起きました。こうした事実を背景に、今回3度目のブームは株価急落の予兆ではないか?というものです。
これは筆者が見出したアノマリーではありませんが、なるほどと頷ける点が多々あります。
決して無視できない「アノマリー」は意外に多い
筆者は、決して無視できない予兆と注視しています。“まさか、バカらしい”と一笑に付すことは簡単ですし、実際、タピオカと株式市場に直接的な関連性はないでしょう。
しかし、こうしたアノマリーは他にもあります。
筆者は、2017年11月に“大相撲で4横綱時代が終焉すると景気後退が近い”というアノマリーに関する記事をアップしました。当時は株価が上昇中で、某ネット証券では「来年度(2019年3月)に日経平均株価は3万円へ」という、今となっては途方もない目標を掲げて個人投資家向けに大々的なキャンペーンを行ったほどです。
しかし、横綱・日馬富士(当時)が暴行問題で引退した2017年12月(番付上)以降、それまでのケース(6~8カ月程度)より少し時間を要しましたが、1年3カ月後の今年3月に政府が景気判断を下方修正したのは未だ記憶に新しいところです。
春水堂の銀座旗艦店オープンはピークが近い予兆?
筆者が注目しているのは、タピオカという一見すると何でもないような食品が、周期的なブームになっている点です。なぜタピオカに限って、何度も何度もブームになるのでしょうか。
ところで、今のタピオカミルクティーブームの発端になったと言われる台湾発の「春水堂」が、何とこの7月、銀座四丁目に旗艦店をオープンする予定です。これをタピオカブームのピークが近い、あるいは、既に下向きになりつつある予兆と感じるのは筆者だけでしょうか。
また、現在のタピオカブームは、前述のように若年層や女性によって支えらえています。ということは、飽きられるのは時間の問題かもしれません。
このタピオカと株式市場の関係性は、とりあえず年内に最初の答え合わせをしたいと考えています。
葛西 裕一