今年の4月末で約30年続いた「平成」の時代が終わりましたが、この間に様々な食品が人気を博しました。そして、その中には、“人気”を通り越して一大ブームとなった食品も少なくありません。
ブームの定義はやや曖昧ですが、平成初期からざっと思い出しても、モツ鍋、ティラミス、ナタデココ、エスニック料理、マカロン、生キャラメル、“韓流”料理、熟成肉、塩レモン…、ここ数年では、ジビエ肉、パクチー、サバ(缶)などがありました。
平成最後の食ブームがタピオカ、若い女性を中心に大ブーム
平成の最後に人気に火が付き、「令和」となった現在でもブームと呼ばれる食品、言い換えれば、平成最後の食ブームとなっているのがタピオカです。
タピオカとは、トウダイグサ科のキャッサバの根茎から製造したデンプンであり、菓子の材料や料理のとろみ付けに用いられます。現在は主にパール状のものをミルクティーに入れて食する(飲む)タピオカドリンクが大ブームになっています。
どれくらいブームになっているかというと、大都市圏にはタピオカドリンク店が数多くオープンし、乱立状態とも言える状況です。実際、東京には300店以上あると言われ、とりわけ、原宿から表参道・青山にかけては約40店舗がしのぎを削っているようです。
こうした”タピオカストリート”は、修学旅行で上京する女子高校生には聖地化しているようで、お台場に行くのは流行遅れという話もあります。
また、最近では「タピる」「タピ活」といった新語がネットで流行っており、早くも下馬評では今年の人気・流行語大賞の有力候補の1つに上がっています。とにかく、大ブームになっているのは間違いありません。
タピオカブームは今回が初めてではなく、少なくとも3回目という異例
さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本論です。実は、タピオカがブームになったのは今回が初めてではありません。平成の約30年間において、少なくとも2度の大きなブームがありました。
詳細は省略しますが、まず1992年前後の第1次ブーム(白いタピオカが入ったココナッツミルク等)、そして2008年前後の第2次ブーム(黒いタピオカが入ったミルクティー等)がありました。
この2回はハッキリとした大ブームでしたが、先ほど“少なくとも”と記したのは、2000年前後にもタピオカの人気が上昇した時期があったのです。確かに、ブームと称されるような爆発的人気には至りませんでしたが、当時のメディアに黒タピオカが数多く取り上げられていました。
いずれにせよ、なぜかタピオカに限っては複数回のブームが巻き起こったことは事実です。筆者の知る限り、このような食品は非常に珍しいと思われます。そして、今回が3度目(2000年を含めれば4度目)のブームです。
タピオカブームと株式市場との関連性は本当なのか?
そして、今回の第3次タピオカブームに関して、最近ネットで大きく取り上げられている話題があります。それは、タピオカブームと金融市場の関連性であり、具体的には、“タピオカブームが終焉する前後、あるいはピークを打った頃に株式市場が大崩れする”という「アノマリー」です。