2026年を迎え、「団塊の世代」はすべて75歳以上となりました。高齢化は新たなフェーズに入り、社会構造そのものに変化をもたらし始めています。

こうした動きは、もはや統計データの中だけにとどまりません。医療機関の待合室や電車・バスといった公共交通、地域の集まりなど、日常生活のあらゆる場面で高齢化の進行を実感する機会が増えています。

厚生労働省の将来推計では、今後およそ25年後には女性の平均寿命が90歳を上回る見込みとされています。長生きが一般的になる社会では、老後の生活期間そのものがこれまで以上に長期化していくことになります。

その前提に立つと、「年金収入だけで暮らしを維持できるのか」「手元の資産でどの程度まで生活を支えられるのか」といった課題は、誰にとっても無関係ではいられない現実的なテーマです。

本記事では、総務省および厚生労働省が公表している公的データをもとに、75歳以上の後期高齢シニア夫婦の家計状況を整理します。「生活費」「年金収入」「資産の持続性」という3つの観点から実態をひも解いていきます。

さらに、後期高齢者医療制度の仕組みや医療費の自己負担割合にも触れながら、老後の家計の全体像を多角的に捉えていきます。