4. 定年退職の春、退職金2000万円の現実はどう変わる?定年延長の影響

国家公務員の働き方には、近年大きな変化がありました。それは、定年年齢の引き上げです。

2023年4月1日から、国家公務員の定年は従来の60歳から61歳に引き上げられました。さらに、2031年度には65歳になるまで、2年ごとに1歳ずつ段階的に引き上げられる予定です。

この制度変更に伴い、60歳に達した職員の給与は当面の間、60歳時点の7割水準となります。また、管理監督職には役職定年制が導入され、原則60歳以降は管理職以外のポストに就くことになります。

定年が延長されることで長く働き続けることが可能になりますが、「給与が7割水準に下がるなら、退職金も減ってしまうのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。

実は現在の制度では、そうした不利益を防ぐために「ピーク時特例」という特例措置が設けられています。これは、退職金の計算において「給与が下がる前(60歳到達時)のピーク時の給料月額」をベースにするという仕組みです。

そのため、定年延長によって退職金そのものが大きく目減りする心配は今のところ少なく、これまで目安とされてきた「退職金2000万円」という水準は、今後も引き続きひとつの目安になり得ると言えます。

ただし、生涯賃金全体への影響やそれぞれの働き方については、ご自身のプランに合わせて注視していく必要があるでしょう。

5. 定年退職で2000万円超えも視野に。ただし自助努力の重要性も高まる

最新のデータから見えてきたのは、国家公務員であっても「定年まで勤め上げてこそ、約2000万円という安心のまとまった退職金が見えてくる」というシビアな現実です。

裏を返せば、途中で自己都合退職をすればその額は大きく下がり、「公務員=無条件で老後安泰」とは言い切れません。

さらに、退職金全体の水準は過去のピーク時と比べると減少傾向にあります。

これは公務員に限らず、民間企業で働く人にも共通する課題です。「退職金があるから大丈夫」と安心しきるのではなく、iDeCoや新NISAなどを活用し、現役時代からコツコツと資産形成をしていくことが、これからの時代を生き抜く最適解と言えるでしょう。

ご自身のライフプランと照らし合わせながら、早めに準備を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

太田 彩子