2027年卒業予定の学生の採用が3月から始まっています。就活は早期化が進んでおり、今年も早い段階で内定を得る学生が多くなると考えられます。

国家公務員も、春ごろから2026年度の採用試験が始まります。国家公務員の採用試験は高卒・大卒・社会人の枠に加え、2026年度からは氷河期世代の採用が再開する予定です。前回の氷河期世代の採用試験の合格者数や倍率は、どれくらいなのでしょうか。

この記事では、氷河期世代の国家公務員の採用試験について解説します。

1. 【2026年度から再開】氷河期世代向けの採用試験概要

2026年度から、氷河期世代向けの国家公務員採用試験が再開されます。前回は2024年度に実施されましたが、2025年度は実施されませんでした。2026年度は、国が制定した「新たな就職氷河期世代等支援プログラム」の一環として、1年ぶりに再開される予定です。

採用試験は、すでに概要やスケジュールが公表されています。まずは、受験資格や試験種目を見てみましょう。

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受験資格・試験種目について

出所:人事院「2026年度 国家公務員 中途採用者選考試験(就職氷河期世代)」をもとに筆者作成

  • 受験資格:1966年4月2日~1986年4月1日に生まれた人(※)
  • 試験区分:事務、技術、刑務官
  • 採用予定数:約150名
  • 試験地:札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、那覇市
  • 試験種目
    第1次選考【全区分共通】
    (1)基礎能力試験(多肢選択式)
    (2)作文試験
    第2次選考
    ①事務区分及び技術区分:採用面接等
    ②刑務官区分:身体検査、身体測定、体力検査、採用面接等

※日本の国籍を有しない人や改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている人などは受験不可

筆記試験・面接試験を経て、合格者が発表されます。採用予定人数は約150名です。

受験のスケジュールは、以下のとおりです。

  • 受験申込受付期間:2026年5月下旬(インターネット申込)
  • 第1次選考日:2026年9月6日(日)
  • 第1次選考通過者発表日:2026年10月中旬
  • 第2次選考期間:2026年10月下旬~11月上旬
  • 合格者発表日:2026年11月中旬

試験の申込受付は5月から始まりますが、試験自体は9月〜11月に行われます。合格者は、11月中旬に発表予定です。

次章では、前回試験(2024年度採用試験)の合格者数や倍率を確かめていきましょう。

2. 前回試験の合格者・倍率はどれくらい?

試験に挑戦する際に気になるのが、過去の合格者数や倍率です。数字はその年によって変動しますが「何人が受験し、うち何人が合格したのか」がわかれば、試験の難易度を推測しやすくなります。

例として、2024年度の採用試験における、受験者数や合格者数、倍率を見てみましょう。

2024年度の採用試験の受験者数・合格者数・倍率2/5

2024年度の採用試験の受験者数・合格者数・倍率

出所:人事院「2024年度 国家公務員 中途採用者選考試験(就職氷河期世代) 実施結果」をもとに筆者作成

  • 申込者:3909人
  • 受験者数:2370人
  • 合格者:151人
  • 倍率:15.7倍

受験者数は2370人となっており、倍率は15.7倍と高くなっています。大卒程度の試験の倍率は2.1倍ですから、門戸が狭い試験といえるでしょう。

一方で、合格者数は2026年度の採用予定数である150名に近い数字となっています。過去3年間の試験合格者を見てみても、おおむね150〜160人程度の採用が続いています。

  • 2024年度:151人(採用予定数:174人)
  • 2023年度:165人(採用予定数:182人)
  • 2022年度:160人(採用予定数:159人)

採用者数はほぼ採用予定数に近い数字となっています。つまり、試験実施のたびに一定数は採用されており、合格者が激減する可能性は低いのです。

これまでの社会経験や自身のスキルを活かしつつ、十分に試験対策して臨めば、国家公務員になれるチャンスはあるといえるでしょう。

次章では、国家公務員の平均給与について解説します。

3. 国家公務員の平均給与

国家公務員の魅力のひとつに、安定した給与を受け取れる点があります。国家公務員は、平均でいくらの給与を受け取っているのか、確かめてみましょう。

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国家公務員の平均給与

出所:人事院「令和7年 国家公務員給与等実態調査」をもとに筆者作成

  • 平均給与月額:42万4979円
  • 俸給:34万5458円
  • 地域手当等:4万4336円
  • 俸給の特別調整額:1万1810円
  • 扶養手当:8573円
  • 住居手当:7227円
  • その他:7575円

平均給与は約42万円です。俸給は30万円台中盤ですが、地域手当など手当が充実しており、給与額を押し上げています。

次は、氷河期世代とされる40代中盤から50代中盤の公務員に絞って、平均給与を見てみましょう。

40代中盤~50代中盤の平均給与4/5

40代中盤~50代中盤の平均給与

出所:人事院「令和7年 国家公務員給与等実態調査」をもとに筆者作成

  • 44〜48歳未満:46万7753円
  • 48〜52歳未満:48万7877円
  • 52歳〜56歳未満:50万3995円

いずれも、全体平均より高い給与を受け取っています。中途採用であっても、それまでの職歴などを加味して給与が決定する「職歴加算」の仕組みにより、最低限の給与は保障されます。安定収入を得たいと考える人にとっては、国家公務員は魅力的な選択肢といえるでしょう。

4. 氷河期世代向けのその他の施策

国家公務員の採用試験以外にも、氷河期世代向けの支援策にはさまざまなものがあります。国が公表している「新たな就職氷河期世代等支援プログラム」に記載されている主な支援策は、以下のとおりです。

  • 相談対応等の伴走支援
  • リスキリング支援
  • 家族介護に直面した際の離職防止支援
  • 柔軟な就労機会の確保
  • 家計改善や資産形成の支援

就労や処遇改善のほか、社会参加や老後生活に向けた支援などが用意されています。

たとえば、ハローワークには、就職氷河期世代が相談できる専用窓口があります。就職はもちろん、職場定着までの支援や生活設計の相談なども受け付けています。このほか、無料の職業訓練である「ハロートレーニング」も有効活用したいところです。

また、公営住宅の供給や金融教育の提供など、日常生活にかかわるジャンルの支援も存在します。こうした支援制度を活用しながら、キャリアやライフプランの選択肢を広げていくとよいでしょう。

5. まとめ

氷河期世代向けの国家公務員採用試験が2年ぶりに再開されるなど、国は氷河期世代の就労・生活支援に取り組んでいます。

合格者数は150名程度、倍率も約16倍と決して簡単になれるわけではありませんが、チャンスや選択肢が広がることで、今後のキャリアプランも立てやすくなるでしょう。

参考資料

石上 ユウキ