3. リクルートはもはや「日本の会社」ではない?成長の原動力は北米にあり
リクルートの業績を左右する鍵がHRテクノロジー事業にあることが分かりました。では、泉田氏はそのHRテクノロジー事業をさらにどう深掘りしていくのでしょうか。次に注目したのは「地域別の売上」です。
決算説明会資料によると、第3四半期のHRテクノロジー事業の全体売上(23億4200万米ドル)のうち、実に半分以上にあたる13億300万米ドルを「北米市場」が占めています。
日本国内で圧倒的な知名度を誇るリクルートですが、最大の利益源泉である事業の主戦場は、実はアメリカなのです。泉田氏はこの構造について、投資家の視点から次のように指摘します。
「リクルートっていうと日本ですごい大きな会社で頑張ってる会社だって思うかもしれないけど、世界の投資家から見たらそれは大事なパーツではあるんだけど最初に見るべきポイントではない。」
さらに重要なのは、各地域の成長率です。北米市場の売上が前年比で10%以上伸びているのに対し、日本市場の売上は前年比マイナス5.4%と縮小しています。
インタビュワーが「日本の転職市場は活況だと思っていたのに意外だ」と驚きを示すと、泉田氏は機関投資家ならではのドライな視点を提示しました。
「逆にもっと言うと、日本を分析してもあんまり意味がないっていうそういうのにも繋がります。」
今後のパイが大きくなく、成長のドライバーでもない日本市場の動向をいくら細かく分析しても、リクルート全体の株価や企業価値を見極める上ではあまり意味を成しません。リクルートを分析するということは、実質的に「アメリカのHRテクノロジー市場(求人市場)の動向を分析すること」と同義なのです。
