2. リクルートの事業構造を分解!本当の「稼ぎ頭」はどこか?

リクルートの事業別 売上と利益の「ねじれ」2/3

リクルートの事業別 売上と利益の「ねじれ」

出所:リクルートホールディングス 2026年3月期第3四半期決算短信を基にイズミダイズム作成

全体として好調な決算であることが分かりましたが、リクルートのように多角的にビジネスを展開する巨大企業の場合、全体の数字を見るだけでは不十分です。「どの事業が業績を牽引しているのか」を分解して考える必要があります。

リクルートの事業は、大きく以下の3つのセグメント(事業部門)に分かれています。

  1. HRテクノロジー: 「Indeed」などを中心としたオンライン求人情報プラットフォーム事業
  2. 人材派遣: 「リクルートスタッフィング」などの人材派遣事業
  3. マーケティングマッチングテクノロジー(MMT): 「SUUMO(住宅)」「ゼクシィ(結婚)」「ホットペッパー(飲食・美容)」など、日常のライフイベントや消費をサポートするメディア事業

私たちが日常生活で最も目にするのはMMT事業のサービスかもしれません。しかし、実際の業績の内訳を見ると、意外な事実が浮かび上がってきます。

まず売上規模で比較すると、人材派遣が約1.2兆円でトップです。次いでHRテクノロジーが約1兆円、MMTが約4,241億円と続きます。これだけを見ると、リクルートは「人材派遣の会社」だと思われがちです。

ところが、利益の額(※EBITDA+S:営業利益に減価償却費等を加えた利益指標)を見ると状況は一変します。

売上が最も大きかった人材派遣の利益は約851億円にとどまる一方で、売上が2番手だったHRテクノロジーの利益は約3949億円と、他を圧倒する稼ぎを叩き出しているのです。(※MMTの利益は約1392億円)

つまり、リクルートの利益の源泉は、間違いなく「HRテクノロジー事業」にあるということです。この事実を踏まえ、泉田氏は企業分析の急所を次のように断言します。

「一番しっかり分析しなきゃいけないのはこのHRテクノロジーになるっていうのは間違いない。」

プロの投資家は、企業が展開するすべての事業を均等に見るわけではありません。利益の大半を生み出している「稼ぎ頭」の事業が成長しているのか、それとも衰退しているのかに焦点を絞って分析を進めるのです。

【動画で解説】リクルート決算を元機関投資家が分析!なぜ本当の稼ぎ頭は北米なのか?