3. 金融機関から自治体へ「配当データなど」が直接送られるように

今回は、高齢者の医療費負担に金融所得を反映させる制度の議論について解説しました。現在の制度では、同じ収入額でも給与か株の配当かによって、保険料や窓口負担に大きな差が生じる可能性があります。背景には、高齢者と現役世代の資産格差や、金融所得が把握されにくい仕組みがあるとされています。

法定調書を活用した金融所得勘案のスキーム4/4

法定調書を活用した金融所得勘案のスキーム

出所:厚生労働省「令和7年度 全国厚生労働関係部局長会議資料(13)保険局」

政府は金融機関から自治体へ配当情報を共有する仕組みを整備し、資産状況に応じた公平な負担を目指しています。

今回の制度変更は、投資をしている人や配当収入がある人にとって影響が大きい可能性があります。今後の制度改正の動向を確認しながら、自身の所得構成や資産状況を一度見直しておくことも大切でしょう。ただし、金融機関のシステム改修や国民への周知といったプロセスが必要なため、この新制度が完全に社会に浸透し、実効性を持つまでには、まだしばらくの猶予期間(施行まで数年程度)を要する見通しです。

参考資料

村岸 理美