実際に「心配し過ぎだよ」と言われて大丈夫だったときもあれば、「大丈夫だろう」と思ったのに入院になってしまったことも。受診のタイミングも判断が非常に難しいので、今は安心して受診できる小児科にお願いしています。

昼間はまだ良いのですが、困るのが真夜中。病気の子は、夜中に吐いたり、咳き込んだり、泣いて起きることも。暗い中、1人で具合の悪い子と向き合っていると、悪い想像もしてしまいます。

筆者は地方に住んでいますが、夜間に子どもを病院に連れて行く際、病院まで40~50分かかることもあります。先日も夜中の2時に「子どもは吐き続けているし、でも初めて行く遠い病院だし、他の子もいるし」と悩んだあげく、結局1人で子どもを連れて行きました。

また、看病中は「自分が悪かったのか」と思ってしまうこともしばしば。落ち着いて考えればそんなことはないことも、仕方がないこともあるのですが、不安になると人は自信を無くし、自分を責めることが度々あるのです。

看病中は、心身の余裕が最もなくなるとき。まずはそんな自分を知り、相談先を確保したり、休む時間を作るように今も試行錯誤中です。

心身の余裕がないときの怒り

産前は滅多に怒ることもなかったのに、子どもができたら怒る機会が増えたという人は少なくありません。そもそも産前は大人中心で動いているので、思うようにいかないこともあまりなく、怒る機会も少ないのです。

子ども中心の生活は、思うことにいかないことばかり。まず「知らなかった」ことで怒りやすくなります。1人目のときは子どもは何十回言っても分からないことを「知らなかった」ので怒ったことも、3人目になると「事前に知っていて予測できる」ので怒らなくなります。

それでも自分の心身に余裕がなければ、怒りやすくなります。「やることは山ほどあるのに味噌汁をぶちまけた」「危ないと教えてるのに機嫌を悪くしてギャン泣き」「1日病院や外出で疲れたのに寝る前に布団に水をこぼされて全部替えなければならない」となると…理性よりも感情が動きます。

とはいえ、子どもには悪気はありません。怒りたくなる場面のほとんどが、自分の心身に余裕がないから。じゃあ「心身の余裕がない親が悪いのか」というと、現状の育児環境では大人も苦しいもの。問題が起きると「誰が悪い論争」をしてしまいがちですが、そこに答えはありません。

「誰が悪い論争」は止めて、環境を変える。無理をしない。とにかくやることを減らす。心身の余裕を保ち安心できる家庭を最優先することを心がけると、行動が変わり、毎日が変わると思います。

丸裸な自分と生きていく

他にも育児を始めて向き合った自分の弱さはたくさんあります。想像以上に自分が情けなかったり、落ち込んだり、ずるかったり。これが等身大の自分なのかと、丸裸にされたような気分です。

丸裸になった弱い自分と向き合い、ではどうするべきか、具体的な対処法を考える。そんなことの繰り返しをしていますが、どうにもいかない時もあります。ただここで経験した試行錯誤は、今後の人生も少しずつ変えてくれると思っています。

宮野 茉莉子