7. 【ご参考】2026年4月から年金制度が大きく変わる!「手取り」を左右する4つの重要ルール改定をおさらい
2026年度(令和8年度)がスタートしました。
新年度の始まりとともに、私たちの生活に直結する「年金制度」に4つの大きな変更が実施されます。
「保険料の引き上げ」という負担増のニュースがある一方で、「受給額のアップ」や「働きながら年金をもらうルールの緩和」など、知っておかないと損をする・あるいは手取りを増やせる場合もある重要なお知らせも含まれています。
そこで、今年度の年金が「いくら増えて、何が変わるのか?」押さえておくべき4つのポイントを分かりやすく解説します。
前段ですでに解説した内容もありますが、あなたのお金に関わる重要な情報なので、再度チェックしておきましょう。
7.1 【負担増】国民年金保険料が「月額1万7920円」へ引き上げ
まず、自営業やフリーランス、学生などが加入する「国民年金」の保険料が改定されます。
令和8年度の国民年金保険料は、月額1万7920円となりました。物価や賃金の変動に応じた毎年度の改定ルールに基づくものですが、毎月の固定費として家計への影響は避けられません。
前納(まとめ払い)などを活用し、少しでも割引を効かせる工夫がこれまで以上に重要になります。
7.2 【収入増】年金受給額がアップ!老齢基礎年金は満額「7万608円」へ
嬉しいニュースもあります。物価や賃金の上昇に合わせて、受け取れる年金の額が引き上げられます。
令和8年度の引き上げ率は、基礎年金がプラス1.9%、厚生年金(報酬比例部分)がプラス2.0%(いずれも前年度比)と発表されました。
これにより、国民年金(老齢基礎年金)をすべて満額で受け取る場合の金額は以下のようになります。
- 昭和31年4月2日以降生まれの方:月額7万608円
- 昭和31年4月1日以前生まれの方:月額7万408円
現在年金を受給している方は、今年度(振込は6月15日)から口座に振り込まれる金額が増えることになります。
ご自身の受給額についての情報は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や、日本年金機構からの振込通知書で必ず確認しましょう。
7.3 【要確認】低所得者向けの「年金生活者支援給付金」も3.2%アップ
公的年金などの収入やその他の所得が一定額以下の方をサポートする「年金生活者支援給付金」も、物価変動に合わせて手厚くなります。
令和8年度の給付基準額は、月額5620円へと改定されました。これは前年度からプラス3.2%の引き上げという伸び率です。
この給付金を初めてもらう場合は、対象であっても「自ら請求書(申請書)を提出しないと受け取れない」という点に注意が必要です。すでに給付金を受給している人(既存の受給者)は、原則として新たな手続きは不要です。
「もしかして自分も対象かも?」と思った方は、日本年金機構からの案内を見落とさないようにしてください。
7.4 【在職老齢年金制度】働きながら年金をもらう「壁」が65万円へ大幅に増加
働くシニア世代にとって、今回影響が大きいのがこの「在職老齢年金制度の見直し」です。
これまで、老齢厚生年金を受け取りながら働く場合、給料(標準報酬月額など)と年金の合計が「月51万円」を超えると、超えた分の年金が一部支給停止(カット)されていました。
これが「働き損になる」と多くのシニア層を悩ませてきた原因です。
しかし、令和8年度からはこの基準額が「月額65万円」へと大幅に引き上げられます。
これにより、「年金を減らされたくないから労働時間をセーブしていた」という方も、より多くの収入を得ながら満額の年金を受け取れる可能性が高まりました。
60代以降の働き方やライフプランを変える、重要なルール変更です。
7.5 まとめ:2026年度から変わる制度を知り、マネープランを再構築しよう
2026年4月からの年金改定は、「物価高への対応」と「シニアの就労促進」という国の方針が色濃く反映されています。
制度の変更は、知っている人だけが得をし、知らない人は損をすることが多いものです。
今回の制度変更をしっかり理解して、働き方やお金の受け取り方を今のうちに見直しておきましょう。
参考資料
著者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
ファイナンシャルアドバイザー。秋田県秋田市出身。宇都宮大学教育学部卒業後、株式会社栃木銀行に入行。主に個人リテール業務へ従事。若年層から富裕層まで幅広い世代へ投資信託・保険を中心に総合的なライフプランニングを行ってきた。リテール営業行員内で上位の成績を保ち、全行員内1位の成績を収める。また、社内教育にも尽力し、人材育成にも携わる。
現在は金融IT企業で個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。(2026年7月11日更新)
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
元・厚生労働省担当記者(社会保障専門紙)
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場IT企業での法人営業を経て、厚生労働省記者クラブに所属する行政・自治体向けの社会保障専門紙記者として活動。
現在は「公的社会保障制度(年金・医療・介護)」の仕組みと、「私的資産形成(NISA・iDeCo)」の税制優遇制度を横断的に分析し、生活者のための家計防衛術を提供する編集者として活動している。
各省庁が公表する難解な一次情報(e-Gov法令検索の条文データや、総務省統計局の家計調査など)を読み解き、現役世代からシニア層までを対象に、事実に基づいた実用的な解説記事を継続的に執筆している。
このほか、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも情報を発信している。
【経歴・専門性】
前職の専門紙記者時代には、厚生労働省本省および各地方自治体(保険者)を直接取材対象とし、現場の最前線で以下の重要政策の決定プロセスと一次情報に触れてきた。
これらの政策取材を通じ、「制度の複雑化が引き起こす、生活者のサイレントな不利益(申請漏れや制度の不知による経済的損失)」の構造を実務レベルで把握。役所の論理で構築された難解な制度設計を、IT企業時代に培ったデータ分析手法と掛け合わせることで、客観的指標(平均値ではなく中央値を用いた実態把握など)に基づく解説記事を執筆している。
【具体的な実績・保有資格・メディア掲載歴】
公的機関の一次データに依拠した客観的な記事執筆により、Yahoo!ニュース「経済ランキング」において多数の1位を獲得。具体的な執筆・担当領域における実績は以下の通りである。
- 公的年金・給付金領域:日本年金機構の公表資料に基づく「在職老齢年金による支給停止基準」や「年金生活者支援給付金の受給要件」の解説。また、国税庁のガイドラインに沿った定額減税や各種給付金の対象者判定フローの実務的整理。
- 医療・介護保険領域:高額療養費制度などの自己負担限度額の算出方法や、公的保障のセーフティネット範囲の図解解説。
- 資産運用領域:金融庁のNISA特設サイトや、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)のデータに基づく税制優遇メリットの数値化。特定の金融商品の購入推奨は行わず、公的年金の不足分を補うための長期積立投資の制度整理に特化。
- 貯蓄・家計管理領域:家計調査などの官公庁統計データに基づいた、年代別・世帯年収別の貯蓄実態の論理的解説、およびインフレ時代におけるリスク管理手法の情報提供。
- 保有資格・実務知見:東京商工会議所 ビジネスマネジャー検定試験®合格。上場企業での実務経験と当資格で培った「組織マネジメント」や「コンプライアンス・リスク管理」の視点を個人の家計防衛に転用し、ビジネスパーソンが納得できる論理的な解説の裏付けとしている。
【読者へ提供する価値と発信理念】
「役所の論理ではなく、生活者の視点で制度を翻訳する」ことを発信の基本理念としている。
複雑怪奇な社会保障制度においては、制度を知らないこと自体が直接的な経済的損失に直結する。この情報非対称性を是正し、「知っていれば救われたはずの人が損をする現状をゼロにする」ことが現在の活動における最大のミッションである。
そのため、記事執筆にあたっては個人の主観や推測、投資推奨は避ける。
そのうえで、読者の生活や資産に影響を与える領域であることを自覚し、読者が「国に頼りすぎず、国を賢く利用する」ための正確で安全な判断材料を提供し、生活者とその家族を守るための実用的な知見を届け続けている。
(2026年7月13日更新)