お産の時にそばに置いておきたいもの、持っていきたいものは妊婦さまざま。できるだけリラックスしてお産に臨むことができるようにと、ニュージーランドではたいていのものを持ち込むことが許されています。

筆者は痛み対策として、「ウィートパック」と松ぼっくりを選び、鞄に詰めました。ウィートパックは小麦入りの小型クッションで、湯たんぽ代わりになるものです。電子レンジで温め、それを痛みのあるところに当てます。軽くもなく、重すぎもせず、適度な重みと温かさで心地よいものです。

松ぼっくりは助産師さんのアイデアです。陣痛時に握ると、突起している部分が手のひらのツボに当たり、痛みを和らげてくれました。

実用的なものだけではありません。分娩室を「自分の部屋」にするためのグッズも忘れてはいけません。たとえば音楽。出産時に、自分のお気に入りの音楽をかけることができます。ヒーリング音楽もよし、ロックもよし。音楽は気分転換に持ってこいです。

ほかにも、筆者の知り合いにはアロマオイルを持ち込み、部屋を好きな香りで満たした人もいますし、リラックスするために、自宅の雰囲気を再現しようと、いつも見慣れた飾り物や写真立てを持って行った人もいます。

おわりに

無事に赤ちゃんが生まれ、母子共に健康であることが確認されると、ニュージーランドの母親たちは長居はせず、予定より早くても病院を後にする傾向があります。特に、自宅でパートナーなどから十分サポートを受けられる場合はなおのことです。

しかし、あくまでマイペースで構わないのです。基本的な入院期間は3日間あるので、その間に新生児を育てる上の知識を身につけ、心配事の相談をし、休息を取る場合もあります。

このように、最初から最後まで自分流のお産を自分のペースで追求・実現できるのは、いわば、自分のお産を自分でデザインすることと言ってもいいでしょう。このお仕着せではないところが、ニュージーランドで経験した出産のいいところだと思います。

クローディアー 真理