愛し合って結婚したはずなのに、なぜ相手を傷つける発言をしてしまうのでしょうか。その背景には、「幼少期の親との関わり」が要因の一つともいわれています。

たとえば、完璧すぎる親に育てられていた場合、「親の言う通りにしていればうまくいく」と考えてしまいがちになります。その結果、大人になっても自分でものごとを決めようとせず、人任せの性格になってしまうことも。

自分で寝坊しないように工夫するのではなく「時間になったら起こして」と相手にお願いする、「寝坊したらお前のせいだ」と責任を押し付けてしまうといったケースも見られます。「どうやったら寝坊が防げるか」と対策を考える機会がなかったのでしょう。

このような責任逃ればかりしていると、自ら考える力や自分を制する力が養われず、モラハラの傾向が強まると考えられます。

離婚した場合の養育費はいくらもらえる?

モラハラに耐えきれず、離婚を考えている方もいるのではないでしょうか。とはいえ、子どもがいる場合は今後の生活費や教育費が心配になってしまいますよね。

そんなときに知っておきたいのが、養育費の値段。養育費がいくらもらえるのかを決める際には、「養育費算定方式」が広く用いられています。

養育費算定方式は、養育費を支払う側(義務者)と受け取る側(権利者)の収入や就労形態、子どもの人数、各々年齢をもとに計算します。厚生労働省が2016年に報告したデータでは、16年の養育費を受け取っている世帯の平均月額は、母子家庭が4万3,707円、父子家庭が3万2,550円でした。

ただし、これには「子育てに費やす時間や負担」が含まれていません。とくに子どもがまだ小さい場合は、子どもの世話に時間がかかってしまいます。

それにより、非正規雇用しか見つからない、思うように就業できなくなるといった可能性も。相手からもらえる養育費だけではなく、今後の収入がどのくらい見込めるのかも視野に入れておきましょう。

また、裁判や調停で取り決めをした場合、養育費が支払われないと裁判所から履行勧告を受けたり、一定の支払いを命じられたりするケースがあります。それでも支払わない場合は、相手財産の差し押さえといった強制執行をする可能性も。子どもの将来のためにも、必要な養育費はしっかり話し合っておくと安心です。

まとめ

たとえ幼少期の育てられ方や性格によるモラハラだとしても、モラハラをしてもいいという理由にはなりません。「他の人の前ではいい人だから」と我慢するのではなく、まずは「自分が傷ついている」という問題に向き合うことが大切。自分ひとりで抱えきれない場合は、信頼できる人に相談してみてくださいね。

【参考】

『平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果』厚生労働省

新算定表早わかりガイド』日弁連

LIMO編集部