株式市場の振り返り-日経平均株価はわずかに反落、模様眺めムードで厳しい薄商い

2019年6月6日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 20,774円(▲2円、▲0.0%) わずかに反落
  • TOPIX 1,524.9(▲5.1、▲0.3%) 小反落
  • 東証マザーズ株価指数 879.3(▲14.1、▲1.6%) 反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:649、値下がり銘柄数:1,400、変わらず:92
  • 値上がり業種数:7、値下がり業種数:26
  • 年初来高値更新銘柄数:49、年初来安値更新銘柄数:17

東証1部の出来高は10億6,841万株、売買代金は1兆8,427億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。米中貿易交渉やメキシコへの関税発表などが進展しない中、様子見スタンスが強まりました。売買代金は5月30日以来の2兆円割れとなる厳しい薄商いで終わっています。

そのような中、日経平均株価はやや膠着状態となり、値幅の狭いレンジ内の推移となりました。寄り付きは▲30円安となりましたが、これを底として徐々に切り返し、前場の終盤には一時+66円高まで上昇する場面も見られました。しかし、その後は膠着状態となり、最後はやや失速してわずかな下落で引けています。日中の値幅(高値と安値の差)は約97円という狭いレンジとなりました。

なお、TOPIXも同じような値動きで小反落となりました。

東証マザーズ株価指数は反落、売買代金は3日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,281万株、売買代金873億円となり、いずれも概ね前日並みでした。個人投資家の物色意欲が一服した結果、売買代金は3日連続で1,000億円を大きく下回っています。

また、株価指数も続落となり、900ポイント回復がやや遠のいた形です。今後は個人投資家の物色意欲回復次第と言えそうです。

楽天が一時+7%超高の急騰、前日逆行安のファーストリテイリングは急反発

個別銘柄では、前日に逆行安だったファーストリテイリング(9983)が急反発して株価指数を下支えしました。

また、ソフトバンクグループ(9984)が大幅続伸となり、NTTドコモ(9437)も大きく値を上げ、楽天(4755)は一時+7%超高の急騰となるなど、通信株の一角に見直し買いが入っています。さらに、日本電信電話(9432)は取引時間中に年初来高値を更新しました。

その他では、医薬品株の一角が引き続き物色され、第一三共(4568)は連日の年初来高値更新となったことが目を引きました。

一方、いわゆるファーウェイ関連銘柄を中心にハイテク株が売られ、村田製作所(6981)、TDK(6762)、アルプスアルパイン(6770)などがいずれも▲3%超安の大幅下落となり、ルネサスエレクトロニクス(6723)は急落しました。さらに、パナソニック(6752)、ソニー(6758)、三菱電機(6503)なども売られています。

また、自動車株にも下落が目立ち、三菱自動車(7211)が▲6%安に迫る急落となり、いすゞ自動車(7202)や日野自動車(7205)も急落で引けています。なお、親会社のルノー社とFCA社の経営統合が白紙撤回となった日産自動車(7201)は一時大きく値を下げましたが、その後の値動きは限定的でした。

新興市場(東証マザーズ)では、メルカリ(4385)が大幅安となり、終値で再び公開価格(3,000円)を下回りました。また、そーせいグループ(4565)やサンバイオ(4592)は反落となっています。

葛西 裕一