将来について不安を感じることがあるか(単一回答形式)
全体・・・・・・・不安を感じる73.0%、不安を感じない8.6%
10代・・・・・・・不安を感じる70.0%、不安を感じない6.7%
20代・・・・・・・不安を感じる67.0%、不安を感じない10.5%
30代・・・・・・・不安を感じる76.5%、不安を感じない5.0%
40代・・・・・・・不安を感じる76.1%、不安を感じない7.2%
50代・・・・・・・不安を感じる78.8%、不安を感じない7.1%
60代・・・・・・・不安を感じる69.0%、不安を感じない14.0%
70代・・・・・・・不安を感じる67.8%、不安を感じない13.3%
不安を感じている人が大半のようです。もっとも不安を感じているのは50代となっています。定年退職も見えてきて資産の状況や、体力の衰えなど不安を感じることが多いのかもしれません。
また60~70代の働くシニアは生活の満足度も高かったですが、「不安を感じない」割合も全体的に低い中10%以上あります。
20代の「不安を感じない」も10%以上になっています。有効求人倍率は1.63倍となっており、将来に希望を抱いている人も一定数いるのでしょう。しかし働き方改革はまだ始まったばかり。労働環境問題に直面していたり、ライフスタイルの多様化により「どのように生きていけば良いのか」先が見通せず、不安を感じる人が多いともいえます。
「不安を感じない」がもっとも少ない30代は、子育て世帯が多くなっています。育児に家事に仕事に・・・ともっとも忙しい世帯ともいえます。経済界では『終身雇用制度の維持は難しい』発言などが相次ぎ、子どもの教育費は増加傾向にあります。また年金問題もあります。このような社会では、不安を感じない方が難しいでしょう。
「不安」の原因トップ5は
将来に不安を感じることがある人(730名)の原因は以下の通りです。
自身を不安にさせているもの(複数回答形式)
1位・・・・・老後の生活 61.8%
2位・・・・・預貯金など資産の状況 50.4%
3位・・・・・家計のやりくり 48.8%
4位・・・・・自身の健康状態 44.1%
5位・・・・・税金や社会保険料の負担 41.8%
お金や健康に対して不安を感じている働く人が多いようです。
総務省が5月17日に発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、2人以上世帯の世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高は以下のようになっています。
貯蓄現在高、負債現在高
平均・・・・・1752万円、558万円
40歳未満・・・600万円、1248万円
40~49歳・・・1012万円、1105万円
50~59歳・・・1778万円、683万円
60~69歳・・・2327万円、207万円
70歳以上・・・2249万円、104万円
60歳以上の現状に対する満足度の高さや、全体に比べて将来に不安を感じている人の少なさは、貯蓄の多さの影響もあるのかもしれません。今の40~50代が60代、70代となったとき、同じような貯蓄額に達しているのでしょうか。また年金制度がどのようになっているかも分からず、働く人の不安は募るばかりです。
さいごに
働き盛りの人の現状への不満、将来の不安が高いという調査結果となりました。とくに、ロスジェネ世代や定年退職が見えてきた50代の数値の高さが目立ちました。
現状を何とか受け入れながらも、将来の見通しが立たない…そんな人が多いのかもしれません。老後への準備をしようにも、なかなかできない現状があるのでしょう。何かと「自助」が求められる時代ですが、それも限界があります。実質賃金の上昇や労働環境の改善が喫緊の課題といえるでしょう。
【参考】
- 『「36協定」「日本の社会」に関する調査2019』連合調べ
- 『アラフォー・クライシス』(クローズアップ現代+)
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
LIMO編集部