年金を受け取っている人の中には、年金に上乗せして給付金が支給される場合があることをご存じでしょうか。春の気配が感じられるこの時期、4月15日には今年度最後の年金支給日(2月分・3月分)が予定されています。年金生活を支える制度の一つが「年金生活者支援給付金」です。

今回は、厚生労働省の調査結果をもとに、遺族年金生活者支援給付金の支給額や対象要件、2026年度の改定内容について解説します。

1. 遺族年金生活者支援給付金、2019年より開始「消費税率引き上げ分」を活用

年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして支給される給付金で、以下の3種類があります。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

「老齢・障害・遺族」、それぞれの基礎年金を受給中の人が、公的年金を含めても所得が一定基準以下となる場合に、2カ月に一度、受け取ることができるものです。

2. 遺族年金生活者支援給付金、遺族基礎年金受給者が対象「子ども3人」の場合どう分ける?

遺族年金生活者支援給付金の支給要件は以下の通りです。

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)

※障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く。また、所得とは、収入から経費(給与所得控除等)を差し引いた後の金額です。

2.1 遺族年金生活者支援給付金の給付額

  • 月額5450円

なお、子が2人以上受給対象となる場合は、5450円を人数で均等に分けた額をそれぞれに支給します。

2.2 3人の子どもが遺族基礎年金を受給する場合

3人の子が遺族基礎年金を受給している場合の1人あたりの額は、5450円を3で除した金額となり、月額1817円です。

なお、計算の結果、50銭未満の端数が生じたときはこれを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときはこれを1円に切り上げます。また、実際の支給額は法令等に基づき変更される場合があります。

3. 遺族年金生活者支援給付金、2026年度プラス3.2%増額「月額5620円」

2026年度4月分から年金生活者支援給付金の給付額は、前年の物価変動率にもとづき、+3.2%の増額となりました。

3.1 【2026年度】年金生活者支援給付金の給付額

年金生活者支援給付金の給付額3/5

年金生活者支援給付金の給付額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

  • 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円
  • 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級7025円・2級5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金:月額5620円

老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに「保険料納付済期間や免除期間」に応じて、実際の支給額が計算されます。

4. 遺族年金生活者支援給付金、全国7万件以上!受給世代は「40歳代・50歳代」が最多!

遺族年金生活者支援給付金(令和7年3月)4/5

遺族年金生活者支援給付金(令和7年3月)

出所:厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

令和7年3月時点において、遺族年金生活者支援給付金の受給件数は全国で7万7707件となっています。

<年代区分>

  • 20歳未満:5687件
  • 20〜29歳:529件
  • 30〜39歳:7881件
  • 40〜49歳:3万4072件
  • 50〜59歳:2万7828件
  • 60歳以上:1710件

受給者は40〜49歳および50〜59歳の中高年層に多く、全体の大半を占めています。これは、遺族基礎年金を受給する配偶者の年齢層が子の養育期間と重なりやすいことが背景にあると考えられます。一方で、20歳未満は子自身が受給者となるケースであり、60歳以上の件数は比較的少ない傾向にあります。

いずれの世代においても、遺族年金に上乗せして支給される本給付金は、遺族の生活を支える一助として家計面で大きな意味を持つ制度といえるでしょう。

5. 遺族年金生活者支援給付金、複数の子どもが対象→均等に分配

今回は、遺族年金生活者支援給付金の制度内容や2026年度の増額改定について解説しました。年金生活者支援給付金は、所得が一定以下の基礎年金受給者を対象に年金へ上乗せして支給される制度です。遺族年金生活者支援給付金は2026年度に3.2%増額され、月額5620円となりました。

複数の子どもが対象となる場合は人数で均等に分配されます。対象となる可能性がある場合は制度の内容を確認しておくと安心です。案内のはがきが届いた際には、忘れずに手続きを進めましょう。

参考資料