5. 単身世帯の60歳代、半数以上が「年金だけでは日常生活費の確保も難しい」

年金額が引き上げ傾向にあるとはいえ、実際のシニアの暮らし向きはどうなのでしょうか。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」から、シニアの「年金に対する意識」と「ゆとりがない理由」のリアルな実態が浮かび上がってきました。

5.1 単身世帯の60歳代、半数以上が「年金だけでは日常生活費の確保も難しい」

年金に対する意識の調査結果を見ると、世帯の状況によって厳しさに差があることが分かります。

  • 二人以上世帯(60歳代): 「日常生活費程度もまかなうのが難しい」は33.6%
  • 単身世帯(60歳代): 「日常生活費程度もまかなうのが難しい」が 50.7%

二人以上世帯では「ゆとりはないが日常生活費程度はまかなえる」が過半数(53.5%)を占める一方、単身世帯の60歳代では半数以上が生活費のやりくり自体に苦労している深刻な現状が窺えます。

70歳代になると年金受給が本格化するためか若干緩和されるものの、依然として厳しい状況に変わりはありません。

5.2 ゆとりを奪う最大の要因は「物価上昇」と「医療費負担」

生活にゆとりがないと感じる理由のトップは、全年代・全世帯共通で「物価上昇等(51.0%〜57.9%)」でした。年金が数パーセント増額されても、それ以上のスピードで生活必需品や光熱費が高騰していることが、シニアの家計を直撃しています。

また、年齢が上がるにつれて負担感が顕著になるのが「医療費の個人負担増」です。

  • 二人以上世帯(60歳代):24.5% → 二人以上世帯(70歳代):30.0%

健康リスクが高まる70歳代では、医療費が家計を圧迫する大きな要因となっていることがデータに表れています。