老齢年金を受給しながら働いている場合、雇用保険から受け取れる給付金・手当金があります。

具体的には「高年齢雇用継続給付」「再就職手当」「高年齢求職者給付金」の3つがあり、それぞれ支給要件や支給額が異なります。

本記事では、老齢年金を受給しながら働く場合に雇用保険から受け取れる3つの給付金・手当金について詳しく解説します。

令和シニアの平均年金月額も紹介しますので、合わせて確認していきましょう。

1. 令和シニアの平均年金月額はいくら?

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和6年度の厚生年金・国民年金の平均受給額は以下の通りです。

1.1 【厚生年金+国民年金】

  • 全体:15万289円
  • 男性:16万9967円
  • 女性:11万1413円

1.2 【国民年金】

  • 全体:5万9310円
  • 男性:6万1595円
  • 女性:5万7582円

厚生年金の平均受給額は15万289円です。

男女別に見ると、男性が16万9967円、女性が11万1413円となっており、男性の方が女性よりも5万8000円ほど高額になっています。

一方、国民年金の平均受給額は5万9310円で、男女間で大きな差は生じていません。

厚生年金は現役時代の年収や厚生年金保険への加入期間などによって受給額が決まり、年収が高いほど、また、加入期間が長いほど高額になるのが一般的です。

一方、国民年金は保険料の納付月数によって受給額が決まり、年収などの影響を大きく受けないことから男女間の差が生じにくくなっています。

シニア向けには、これら公的年金以外にも、雇用保険から受け取れる給付金や手当金があります。

詳しい内容を次章で確認しましょう。

2. 【シニア向け】雇用保険から受け取れる給付金・手当金3選

近年、定年退職後も働き続けるシニアが増加傾向にあります。

働くシニアが知っておきたい雇用保険関係の手当金や給付金を3つご紹介します。

2.1 65歳未満が対象:再就職手当

再就職手当とは、雇用保険の受給資格を有している人が、早期に安定した職業に就いたり、事業を開始したりした場合に支給される手当金です。

【支給要件】

再就職手当の支給対象者は以下の要件をすべて満たしている人です。

  • 受給手続き後、7日間の待期期間後に就職などをした
  • 基本手当(失業手当)の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある
  • 再就職先が、離職前の事業主や密接な関係のある事業主でない
  • 1年を超えて勤務することが確実である
  • 過去3年以内、再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けていない

【支給率】

基本手当の支給残日数により、以下のように給付率が異なります。

  • 所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して就職した場合:支給残日数の60%
  • 所定給付日数の3分の2以上の支給日数を残して就職した場合:支給残日数の70%

再就職が早いほど給付率が高くなります。

【支給額】

再就職手当金の支給額は以下の計算式で求めます。

基本日額×所定給付日数の支給残日数×60%(または70%)
※1円未満は切り捨て

ただし、基本手当日額には、年齢に応じて上限額が決められています(令和8年7月31日まで)。

  • 離職時の年齢が60歳未満:6570円
  • 離職時の年齢が60歳以上65歳未満:5310円

2.2 60歳から65歳未満が対象:高年齢雇用継続給付

高年齢雇用継続給付とは、就労を続ける60歳以上65歳未満の方を対象として、60歳到達時点に比べて賃金が75%未満に低下した場合に支給される給付金です。

【支給要件】

令和7年4月1日以降に60歳に達した日(※1)を迎えた人

【支給額】

支給額は、賃金の低下率に応じた支給率を、賃金に乗じて計算します。

支給率は、最高で賃金の10%(※2)相当額です。

賃金の低下率ごとの支給率は以下の通りです。

賃金の低下率が64%以下になると支給率は最高の10%になります。

なお、特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金を受給している場合、在職による年金の支給停止だけでなく、年金の一部が支給停止されます。

支給停止となる年金額は、最高で賃金の4%(※3)相当額です。

※1 被保険者期間が5年以上ない場合は5年を満たすことになった日
※2 2025年3月31日以前に支給要件を満たした場合は15%
※3 2025年3月31日以前に支給要件を満たした場合は6%

2.3 65歳以上が対象:高年齢求職者給付金

高年齢求職者給付金とは、雇用保険の被保険者が65歳以上で失業した場合に支給される給付金です。

【支給要件】

支給対象となるのは、以下の2つの要件をいずれも満たす人です。

  • 離職日前1年間に、被保険者期間が通算6ヵ月以上ある
  • 失業状態にある

なお、「失業状態にある」とは、離職後に働く意思と能力があり、積極的に職探しをしているにもかかわらず、職に就けない状態であることを指します。

【支給額】

  • 被保険者期間が1年未満:基本手当の30日分相当額
  • 被保険者期間が1年以上:基本手当の50日分相当額

なお、高年齢求職者給付金は一時金として支給されます。

3. まとめ

老齢年金を受給しながら働いている場合、雇用保険から「高年齢雇用継続給付」「再就職手当」「高年齢求職者給付金」の3つを受けられることがあります。

それぞれ支給要件や支給額が異なるため、申請する際には十分に確認のうえ、受け取り忘れのないように気を付けましょう。

参考資料

木内 菜穂子