女性にとって妊娠・出産は、生活に大きな変化をもたらします。そのため人によっては、妊娠・出産により、一気に孤独な状況に追い込まれ、苦しむ人もいるようです。

ある日、高校時代の部活仲間のB子からLINEがありました。「突然、ごめんね。4ヶ月前に子どもが生まれたんだけど、頼れる人が1人もいなくて、育児もうまくいかなくて、どうしたらよいのかわからないの」短い文章でしたが、B子からの悲痛な心の叫びが聞こえて来るようでした。

B子はというと、大学卒業後、在学中にアルバイトをしていた居酒屋チェーンで社員として採用され、店長として働いていると聞いていました。彼女は物事を効率よく処理するのが上手で、社交的な性格の持ち主だったため、仲間全員で彼女の就職を応援したのを覚えています。しかし基本的に勤務時間は深夜、しかも数年単位で店舗が異動となり各地を転々としていたため、社会人になってからは彼女に会える機会は全くなくなってしまいました。

そしてほんの数ヶ月前、会社の同僚との間に子どもができ、B子が長年勤めた居酒屋チェーンを辞め、専業主婦をしていると仲間伝手に聞きました。彼女からのLINEは、そんな矢先のできごとでした。

B子は夕方から出勤し、朝方帰宅・就寝するという長年生活を送っていたため、日中頼れる友人は身近に1人もおらず、また夫は居酒屋チェーンの社員とあって激務続き…ほぼワンオペ育児かつ孤独という辛い状況に陥ってしまっていたのです。やっと激務から解放され、幸せな生活を送っているだろうと思っていただけに、その衝撃は大きく、すぐに連絡をし、当時の部活仲間みんなで彼女をフォローする手立てを考えました。

B子は決して、友人が少ないワケではありません。ただ、深夜に働く仕事に就いたため、友人もほとんどが飲食店で働く独身者だったのです。そのため育児の相談ができる仲間はほぼ皆無。そしてほぼワンオペ育児…そんな環境下で初めての子育て…容易なことではないでしょう。

出産を機に環境が大きく変わったにも関わらず、ワンオペ育児を強いられ、対応できずに苦しんでいる女性は数多くいると聞きます。疎遠になっていた友人からの出産報告の中には、助けてほしい!という悲痛のメッセージである場合もあることを経験しました。

突然の出産報告に至った背景次第で、その後の付き合い方を考える

長年疎遠だった友人から突然、出産報告があった場合、どのように対応するのがベストなのでしょうか。その裏には自分本位の事情、ヘルプを求めているもの、そのほかにもさまざまなケースがあるでしょう。そのため突然の出産報告に至った背景をしっかりと見極めて、付き合いを継続するかどうかを判断するのがよいかもしれませんね。

上田 みどり