物価上昇が続くなか、老後資金をどう確保するかは、これまで以上に現実的な課題となっています。

いわゆる「老後2000万円問題」をきっかけに、年金だけで生活する難しさは広く知られるようになりました。J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」からもその厳しさがうかがえます。

70歳代のうち「年金でさほど不自由なく暮らせる」と答えた人は二人以上世帯・単身世帯ともにわずか12.3%にとどまります。

一方で、「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と答えた人は二人以上世帯で26.5%、単身世帯では35.5%にのぼり、家計にゆとりがない最大の理由として半数以上(二人以上世帯57.7%、単身世帯54.1%)が「物価上昇等」を挙げています。

実際の資産状況にも大きな差があります。同調査では、70歳代の貯蓄額は二人以上世帯で中央値1178万円である一方、単身世帯では平均1489万円・中央値500万円にとどまり、金融資産を保有していない単身世帯も20.4%にのぼるというデータが示されています。

十分な金融資産を保有する世帯がある一方で、資産を持たない世帯も一定数存在し、単身世帯ではより厳しい現状が浮き彫りになっています。

多くの世帯では、年金収入だけでは生活費をまかないきれず、不足分を貯蓄の取り崩しで補っているのが実情です。本記事では、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額の分布や最新の家計収支の実態を確認するとともに、公的年金の受給水準についても具体的に見ていきます。