4月15日は年金支給日。今回の振込では、条件を満たす人に「年金生活者支援給付金」が上乗せされ、偶数月の支給では約1.1万円が追加で振り込まれるケースもあります。
2026年度は物価動向を踏まえ、同給付金の基準額が4月分から3.2%引き上げられ、6月の支給から反映される予定となっており、年金受給者にとって気になる改定といえるでしょう。
ただし、年金額や給付金の対象条件は個人の所得や加入状況によって大きく異なり、「誰でも同じ額がもらえる」わけではありません。
本記事では、年金生活者支援給付金の最新の支給額や条件、申請の流れを整理しながら、2026年度の増額改定のポイントをわかりやすく解説します。
年金支給日をきっかけに、自分が対象になるかどうかを確認してみましょう。
1. 【2026年度の給付基準額が決定】年金生活者支援給付金はいくらもらえる?
年金生活者支援給付金の給付基準額は、公的年金と同様に年度ごとに見直されます。
2026年1月23日に、2026年度の年金額改定の内容が公表されました。
国民年金(基礎年金)が1.9%の引上げ、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引上げとなり、年金生活者支援給付金の給付基準額は3.2%引き上げられる見込みです。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5620円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円
例えば、老齢年金の受給者が給付基準額どおりに支給される場合、偶数月の年金支給日に「1万1240円(2ヵ月分)」がまとめて振り込まれます。
2. 年金生活者支援給付金は3種類|支給要件をチェック
年金生活者支援給付金制度には、受け取る年金の種類に応じて次の3つの区分があります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
それぞれの支給要件を見ていきましょう。
2.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件
老齢年金生活者支援給付金の主な支給要件は以下のとおりです。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は90万6700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
2.2 「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件は以下のとおりです。
- 障害基礎年金もしくは遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が479万4000円(※2)以下
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
3. 【手続きの流れ】年金生活者支援給付金の申請方法をケース別に確認
年金生活者支援給付金は自動的に支給されるものではなく、申請しないと受け取れないお金です。
ここでは、給付金の申請方法を見ていきましょう。
3.1 すでに年金を受給している方の場合
年金受給者が新たに年金生活者支援給付金の支給要件を満たした場合、9月頃から順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。
必要事項を記入して返送しましょう。
3.2 65歳から新たに年金を受給する場合
65歳を迎えて新たに老齢基礎年金の受給を開始する際には、年金とあわせて年金生活者支援給付金も新たに申請する必要があります。
65歳になる3カ月前になると、年金を受け取るために必要な年金請求書(事前送付用)に同封される形で、給付金の請求書が届きます。こちらに必要事項を記入し、65歳の誕生日の前日以降に、年金の請求書とともに年金事務所へ提出しましょう。
3.3 年金を「繰上げ受給」している場合
年金受給者の中には「繰上げ受給」を選択し、65歳を迎える前に受け取っている方もいらっしゃるでしょう。
繰上げ受給者が年金生活者支援給付金の支給要件を満たした場合、下記のように黄色の封筒が送付されます。
また、令和7年1月以降に日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は、電子申請を利用できるようになっています。
この場合は、郵送での提出は不要となるため、「郵送」または「電子申請」どちらか好きな方法で手続きが可能です。
4. まとめ:対象になる制度がないかチェックしよう
年金支給日に振り込まれる金額は人それぞれですが、年金生活者支援給付金のように、条件を満たせば家計をそっと支えてくれる制度もあります。
今回の増額改定は、小さな変化に見えても、長く受け取る年金生活では積み重ねとして感じられる部分もあるでしょう。
ただし、この給付金は自動的に支給されるものではなく、申請のタイミングや手続きが大切になります。対象になっているのに気づかず過ぎてしまうケースも少なくないため、支給日をひとつの節目として、通知書や届いた書類を改めて確認してみることが大切です。
年金制度は毎年のように見直しが行われ、内容も少しずつ変わっていきます。難しく感じる部分があっても、ひとつずつ整理していくことで、自分の受給状況をより現実的に把握できるようになります。
今回の内容をきっかけに、ご自身が対象になる制度がないかを、落ち着いてチェックしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する方」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎えた方で、老齢基礎年金を繰上げ受給している方」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
加藤 聖人