この記事の読みどころ

今回の株価調整局面は、1日の下落率で見ると、アベノミクス始動以降で26番目です(1月4日の下落率)。

同じく、株価調整局面での下落率を見ても、まだ大騒ぎするような事態ではありません。ただ、今回の調整局面はまだ継続中ですから、引き続き注意が必要です。

このような株価調整局面では、兎にも角にも冷静な判断が求められます。

2016年の株式相場は大波乱のスタート

2016年、年明けの株式相場は大波乱のスタートです。1月7日はTOPIXが前日比▲2.1%下落し、これで4日続落。この4日間での下落率は累計▲5.8%となります(昨年末の大納会終値比)。

中国の景況感悪化が加速していることに加え、中東地域や北朝鮮の地政学リスクも拡大しており、悪材料が一気に噴き出した感があります。新聞記事やテレビニュースを見ても、かなり悲観的なトーンであることは間違いありません。

実は1日の下落率で見ると、さほど大きくない

まず、TOPIXの1日の下落率を見てみましょう。1月4日は▲2.4%下落、1月7日は▲2.1%下落でした。しかし、アベノミクス始動以降(2013年1月~)で見る限り、1月4日の下落率は26番目に大きな下落率です。つまり、これ以上に下落した日が他に25日もあったのです。

ちなみに、下落率第1位の日は2013年5月23日の有名な「5.23ショック」で▲6.9%下落、第2位は2015年8月24日の中国ショックによる▲5.9%下落でした(いずれも前日比)。

株価調整局面での下落率で見ても、まだ大騒ぎするレベルではない

ただ、今回は既に4日続落となっており、明らかな調整局面です。この調整局面での下落率を見てみましょう。

アベノミクス始動以降、短期的な株価調整局面は何度も起きています。その調整局面の日数は計り方にもよりますが、5日間で終わったケースもあった一方で、20日間もかかったケースもありました。

この調整局面での下落率を見ると、今回の下落率を大きく上回る調整局面が何度もあったことがわかります。この下落率を見る限り、少なくとも現時点では、深刻に騒ぐような事態ではないと言えましょう。

今回の調整局面はまだ継続中、冷静な判断が重要

ただ、今回の調整局面はまだ継続中です。下げ止まりの兆候はなかなか見えないため、油断はできません。まだまだ注意が必要です。

こういう時に重要なのは、慌てないこと、周囲の雑音に左右されないことでしょう。「株なんかもうダメだ」と勝手に判断して、投げ売りに走るようなことは止めて欲しいと思います。

【2016年1月8日 投信1編集部】

■参考記事■

>>日経225を手数料無料で最も安く手に入れる投信―たわらノーロード低コスト構造を徹底解説

>>ネット証券会社徹底比較:株も投資信託も気になるあなたへ

>>失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント

LIMO編集部