2026年2月10日、帝国データバンクは「カレーライス物価指数(2026年基準改定)」調査―2025年通年」を公表。

これによると「カレーライス物価(※)」は1食349円と前年比15.6%も急騰しています。

さらに2026年1月には370円台に達し、「令和のコメ騒動」時の水準を更新する見通しです。

こうした記録的なコスト増の最中、すでに1月23日には厚労省から「2026年度の年金額改定」が公表されています。

物価高がシニア世代の家計を直撃する今、改定によって私たちの生活はどう変わるのでしょうか。

本記事では、公表された最新情報を踏まえ、65歳以上・ひとり暮らし世帯のリアルな収支データとともに「老後のお金」について考えていきます。

※カレーライスで使用する原材料や、調理にかかる水道光熱費などを、帝国データバンクが独自に試算した指数。

1. 65歳以上・無職世帯《ひとり暮らしなら》生活費はひと月どのくらい必要?

総務省統計局が公表した「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を参考に、65歳以上で単身・無職世帯における1カ月間の家計収支の現状を見ていきましょう。

1.1 単身・無職世帯(65歳以上)の1カ月あたりの家計収支

【実収入の合計】:13万4116円

■うち社会保障給付(年金など):12万1629円

【支出の合計】:16万1933円

■うち消費支出:14万9286円

  • 食料:4万2085円
  • 住居:1万2693円
  • 光熱・水道:1万4490円
  • 家具・家事用品:6596円
  • 被服及び履物:3385円
  • 保健医療:8640円
  • 交通・通信:1万4935円
  • 教育:15円
  • 教養娯楽:1万5492円
  • その他の消費支出:3万956円
    • うち諸雑費:1万3409円
    • うち交際費:1万6460円
    • うち仕送り金:1059円

■うち非消費支出:1万2647円

  • 直接税:6585円
  • 社会保険料:6001円

【家計状況の概要】

  • 毎月の赤字額:2万7817円
  • エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合):28.2%
  • 平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合):122.9%

老齢年金を受給しながら一人で生活するシニアの家計は、どのような状況なのでしょうか。

データを見ると、1カ月あたりの支出合計は16万1933円です。この内訳は、税金や社会保険料などの「非消費支出」が1万2647円、食費や光熱費といった生活費である「消費支出」が14万9286円となっています。

一方、収入の合計は13万4116円で、その約9割を占める12万1629円が公的年金などの社会保障給付です。

これにより、毎月2万7817円が不足するという計算になります。エンゲル係数は28.2%、平均消費性向は122.9%という結果でした。

ただし、この家計データには注意点もあります。例えば、支出項目に「介護費用」は含まれていません。また、住居費が約1万3000円と比較的低く設定されているため、個人の健康状態や住環境によっては、さらに出費が増える可能性があります。

加えて、「非消費支出」の項目が示すように、年金生活が始まっても税金や社会保険料の支払いは続きます。

多くのシニアはこれらの費用を年金から天引きで支払っているため、年金の額面金額だけでなく、固定費を差し引いた後の手取り額で生活を設計することが大切です。