3. お金の置き場所を考える上での注意点

結果だけを見ると、新NISA制度の活用のほうが最終的な利益は圧倒的に大きくなりました。とはいえ、「新NISAだけが絶対的におすすめ」と言い切れるわけではありません。ここでは、NISAでの積立投資と銀行預金、それぞれの注意点を整理しておきます。

3.1 銀行預金

銀行預金の最大のメリットは、一定の金額までは元本保証がされている点です。額面上のお金が減ることはないため、一見すると資産を守るための安全な手段に感じられます。

しかし、「お金が減らない」というのはあくまでも額面だけの話に過ぎません。 現在の日本経済のようなインフレ局面においては、以前は100円で買えたものが150円を出さないと買えなくなる、といった現象が起きるため、お金の価値が相対的に下がってしまいます。

額面が変わらなくても、世の中の物価が上がれば、実質的な資産価値は目減りしていきます。そのため、インフレリスクを考慮すると、銀行にお金を寝かせておくことは、必ずしも「守りの手段」として完全とは言えないのです。

3.2 NISA制度による積立投資

一方で、今回大きな利益を記録したNISA制度による積立投資にも、当然リスクは存在します。

シミュレーションで使用した「利回り7%」という数字は、あくまで過去の上昇などをもとに想定した数値です。

積立投資における利回りは毎年きれいに増えるわけではなく、資産が30%増える年もあれば、逆に20%減ってしまう暴落の年もあるかもしれません。

売却を考えていた20年後にちょうど世界的な金融危機が訪れ、資産を大きく減らしてしまう可能性もゼロではありません。

今回のシミュレーションのような「長期・積立・分散」を意識した投資は、そうしたリスクを時間の力でコントロールするための手法であり、短期的な投機に比べればリスクを抑えることができます。

とはいえ、「絶対に利益を得る」「リスクをゼロにする」ことはできないという点を念頭に置いた上で活用していくことが大切です。