2016年の投資テーマとは

2016年は、2015年12月の米国利上げ後の景況感と新興国の景気回復動向というマクロ環境に注目が集まる1年になりそうです。

米国が、これまでの低金利から脱却することで健全な金融政策を行える状態に持っていきたいと考えている一方で、新興国は米国の利上げにより資金流出の可能性があります。

また、新興国の中には原油価格の低迷で外貨を稼げなくなっている国もあります。これまで新興国の回復を期待してきた人たちもいますが、新興国のマクロ環境はなかなか読みにくい1年になりそうです。

外部環境を考えれば、景気回復期待のある米国の消費関連銘柄や新興国の景気とはあまり関連性のない日本の内需関連銘柄などは、業績面でのリスクは少なそうに見えます。

今回はそうしたマクロの大局観を持ちながら内需関連銘柄を中心に見ていくことにしましょう。

名目GDP600兆円を達成するために必要なのは内需刺激策

安倍政権により突如掲げられた2020年までの名目GDP600兆円目標。現在の名目GDPが500兆円であることを考えれば、20%も成長しなければならないというのは、一瞬本当かなと思います。

ただ、毎年1%以上のインフレ率に加え、潜在成長率2%以上を合計した3%以上の経済成長を毎年積み重ねることができれば(それが一番難しいのですが)、2020年までに名目GDP600兆円というのは、それほど無謀な目標でないことが分かります。

それでは、600兆円を達成する場合の最大のポイントは何でしょうか。それは、「賃上げを伴う消費増」です。賃金を増やすので皆さん頑張って消費してくださいね、ということです。

そもそも国内の民間消費は名目GDPの約60%を占め、GDPを構成する最大の項目です。ここを刺激するのは600兆円を達成するための必須条件となるでしょう。

内需関連銘柄とはどのようなものか

では、内需関連銘柄とはどのような銘柄でしょうか。

1つは、セブン&アイホールディング(3382)をはじめとしたコンビニやドン・キホーテホールディングス(7532)を代表とするような専門店でしょうか。

また、2016年はリオデジャネイロ・オリンピック開催もあり、家電小売店のケーズホールディングス(8282)も注目できそうです。次いで、Eコマースの進展を期待して、楽天(4755)やヤフー(4689)なども挙げることができるでしょう。

こうした、内需関連といってすぐに思いつく銘柄以外にも、注目が集まりそうなものがあります。

それは、既存の資産の回転率を上げることで景気の活性化が期待できるシェアリングエコノミー関連企業。そして決済機能をよりシームレスで簡単かつ安全にするシステムやアプリを作ることができるフィンテック(FinTech)関連銘柄です。

シェアリングエコノミーやフィンテックは、規制緩和テーマとしても取り上げられることになりそうです。

2016年は、内需関連銘柄の熱量が高くなりそうな予感がしますが、皆さんの今年の投資アイデアはいかがでしょうか。

LIMO編集部