3.3 誤解3:「支払った保険料の元は取れない」は本当か?
公的年金は、個人が支払った保険料を積み立てて将来受け取るだけの、単純な貯蓄商品ではありません。
- 老齢年金:長生きによって資金が枯渇するリスクに備える
- 障害年金:病気やけがで働けなくなった場合の生活を保障する
- 遺族年金:加入者が亡くなった場合に、残された家族の生活を支える
これら3つの機能を備えた、総合的な社会保険制度としての役割を担っています。
加えて、所得再分配の機能も持っており、現役時代の収入格差が、そのまま老後の年金額の格差に直結しないよう調整されています。
したがって、「元が取れるか」という損得勘定だけで制度の価値を測ることは、その本質的な役割を見誤る可能性があります。
4. 年金制度の正しい理解で将来設計を
2月13日の年金支給日は、単にお金が口座に振り込まれる日というだけでなく、ご自身の将来の生活設計を見直す良い機会にもなります。
厚生年金の平均月額は約15万円台であり、月30万円以上を受給できるのは約1000人に1人というデータが現実を示しています。この事実を受け止めた上で、
- 公的年金を老後生活の「土台」と位置づける
- iDeCoやNISAなどの私的年金や資産形成で「上乗せ」部分を準備する
- 現在の生活コストを定期的に見直す
といった多角的な視点を持つことが、より重要になってくるでしょう。
年金制度は社会の変化に対応しながら、今も調整が続けられています。漠然とした不安に囚われるのではなく、まずは正確な情報を知り、ご自身の状況を客観的に把握することが、確かな将来設計への第一歩となります。
次回の年金支給日をきっかけに、一度ご自身の老後資金について整理してみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しー令和6(2024)年財政検証結果 ー」
- 厚生労働省「令和6(2024)年財政検証関連資料②ー年金額の分布推計ー」
- 日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」
- 厚生労働省「令和6(2024)年財政検証関連資料①」
- LIMO「厚生年金、2月13日の支給日に「60万円(月額30万円)以上」受給する人どれくらいいる?2026年度「標準的な夫婦世帯」月額23万7279円←対前年度+4495円アップ」
筒井 亮鳳

