自分にとって普通だと思っていたことが、実は普通ではなかったということは多々あります。筆者の中でその1つが、「運動会に露店が並ぶ」という光景です。しかし、子供の運動会を見に行った時、東京出身の夫とお互いの小学生時代の運動会の思い出話をして「露店が並ぶのは当たり前ではない」という事実を初めて知ったのです。
気になってネットで調べてみると、運動会で露店が並ぶのは特に北関東で多いことが分かりました。北関東出身の筆者にとって、運動会での露店は欠かすことのできないもの。てっきり全国共通だと思っていたので、夫の話には衝撃を受けました。
その一方で、夫も運動会がまるでお祭り会場のようだったという筆者の話を聞き、「羨ましいな」と呟いていました。
そこで今回は、北関東の風物詩でもある露店のある小学校の運動会についてご紹介していきます。
運動が苦手な子でも楽しみに待つ運動会
露店が立ち並ぶ運動会は、運動の得意不得意に関係なく誰もが楽しみに待つ行事になっています。
校舎を背にして露店が並ぶ
筆者は運動音痴なので、徒競走に出るのが苦痛でした。しかし、露店の存在のおかげで毎年の運動会を心待ちするようになりました。校庭を囲むように露店が並ぶ夏祭りほどではありませんでしたが、運動会の競技に支障をきたさないよう、校舎側にズラッと露店が並んでいました。毎年、5〜6店程度が出ていたと記憶しています。
水あめ、綿あめ、かき氷とチョコバナナは必ずあり、高額で手が届かず憧れの露店だったハッカパイプが並ぶ年もありました。定番以外の露店が出る年もあるので、児童たちは開会式の前にウロウロし、今年は何のお店があるかをチェックしたものです。
児童が買いに行けるのは昼食タイムか運動会終了後
運動会がスタートした頃はまだ準備段階の露店も、10時半を過ぎる頃には商品を並べ、児童の弟や妹など小さい子供たちを相手に商売を始めます。競技中の小学生は買いに行くことは許されないので、その様子を羨ましそうに見るだけでした。筆者は毎年、他の学年の競技中はチラチラ横目でお店を確認し、買いたいものをリストアップしていたものです。
児童が露店に買い物に行けるのは、昼食タイムか運動会終了後と決まっていたので、多くの児童が早めに昼食を済まし、母親から貰ったお小遣いを握りしめてお店へと向かいます。
また、昼食タイム以外にも、運動会終了後しばらくは露店で買い物をすることができたので、それも楽しみでした。人気のある露店は店じまいをしていますが、商品が残っている場合は子供達を相手に30分程度は店を開けてくれました。
衝撃的だった500円くじ
筆者が高学年になったある年、見慣れない露店が校庭の端っこに出ていたので友達と見に行くと、「500円くじ」の文字が目に飛び込んできました。1等賞は当時の子供が誰しも欲しがったゲームボーイだと大々的に宣伝しています。
500円で当たるのなら、とその場にいた誰もが思いました。今振り返ると、そんなことは現実的に起きないのは分かりますが、当時はまだまだ子供です。大人の事情やダークなことを考える頭はありません。
母親から渡されるお小遣いは高学年では300円と決まっていたので、筆者はチャレンジすることが叶いませんでしたが、同級生のB君が果敢に挑みました。みんなが固唾をのんで見守る中、500円を投入したB君は野球ボール程度の大きさのスマイル君ソフトボールを当てたのでした・・・。