預貯金の金利が徐々に上がる一方で、値動きのある金融商品には不安を感じる…。という方もいるかもしれません。

こうしたなか、「安全性を重視しつつ、預金より有利な運用先」として注目されているのが個人向け国債です。

個人向け国債は、国が元本と利息の支払いを行う仕組みで、リスクを抑えた資産運用を考える人にとって身近な選択肢といえます。

特に近年は金利上昇の影響を受け、利率や人気のタイプにも変化が見られています。

本記事では、個人向け国債の基本的な種類や最新の金利動向に加え、応募状況や金利タイプごとの特徴をまとめます。

どのタイプが自分の資金計画に合うのかを考える材料として、参考にしてみてください。

1. 個人向け国債は「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類

個人向け国債6つのポイント2/9

個人向け国債6つのポイント

出所:財務省「個人向け国債窓口トップページ」

個人向け国債は、国が個人投資家向けに発行する債券で、元本が国によって保証されていることが最大の特徴です。

銀行預金と同様に安全性が高く、満期まで保有すれば元本割れの心配はありません。

また、利息が安定して受け取れるため、「リスクを抑えながらお金を増やしたい」という人にとって利用しやすい商品であり、シニア層を中心に根強い人気があります。

個人向け国債には、金利のタイプや満期によって次の3種類が用意されています。

1.1 変動金利:10年満期(変動10年)

「変動10年」の特徴3/9

「変動10年」の特徴

出所:財務省「個人向け国債窓口トップページ」

半年ごとに金利が見直されるタイプで、市場金利に連動して利率が変動します。

物価上昇や金融環境の変化による影響を受けやすく、金利上昇局面では利息が増えやすい点が魅力です。

一方で、金利が下がる局面では利回りも低くなるため、市場動向に応じて受け取れる利息が変わる点には注意が必要です。

変動金利のメリットを取り入れたい人に向いているでしょう。

1.2 固定金利:5年満期(固定5年)

「固定5年」の特徴4/9

「固定5年」の特徴

出所:財務省「個人向け国債窓口トップページ」

満期まで金利が一定のまま変わらないタイプです。運用期間中の利回りがあらかじめ分かるため、見通しを立てやすいのが大きなメリットです。

金利が上昇した場合でも契約時の利率が続くため、変動金利型と比べると上昇局面では相対的に見劣りする可能性があります。

それでも安定性を重視したい人には適した選択肢といえます。

1.3 固定金利:3年満期(固定3年)

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「固定3年」の特徴

出所:財務省「個人向け国債窓口トップページ」

運用期間が短めで、利率は満期まで固定されます。

「金利変動の影響を受けたくない」「普通預金より少しでも有利に運用したい」という人に選ばれやすいタイプです。

期間が3年と短いため、資金を長く拘束されたくない人や、初めて個人向け国債を購入する人にも利用しやすい設計となっています。

2. 【2月最新】個人向け国債の金利情報

足元では金利が上昇傾向にあることから、個人向け国債の利回りも上昇しています。

そのため、「安全性を確保しながら、少しでも利回りを得たい」という層にとって魅力的な選択肢となっています。

2026年2月の個人向け国債 募集期間:令和8年2月5日(木)~2月27日(金)

個人向け国債の種類:利率

  • 第191回変動金利型10年満期:初回利子の適用利率(年率)1.48%※税引前
  • 第179回固定金利型5年満期:利率(年率)1.66%※税引前
  • 第189回固定金利型3年満期:利率(年率)1.39%※税引前

特に変動10年は、市場金利に応じて半年ごとに利率が見直されるため、将来的に金利が上昇した場合、その恩恵を受けやすい点が強みです。

そのため、金利上昇局面では販売額が増える傾向が顕著に見られます。

一方で固定5年は、利率が満期まで変わらないため、資金計画を立てやすい点が支持を集めています。

2.1 《変動10年、固定5年、固定3年》前回の応募額が一番多かったのはどれ?

では、「変動10年、固定5年、固定3年」のうち、どのタイプが人気なのでしょうか。

2026年1月の応募額を見てみましょう。

個人向け国債の応募額(令和8年1月)7/9

個人向け国債の応募額(令和8年1月)

出所:財務省「個人向け国債の応募額(令和8年1月)」

  • 個人向け利付国庫債券(変動10年)第190回債:2825億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定5年) 第178回債:3529億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定3年) 第188回債:1175億円

最も応募額が多いのは、適用金利が高い「固定5年」ですが、金利上昇局面で利息が増えやすい「変動10年」も人気です。

3. 個人向け国債「変動10年」半年ごとの利率

前述のとおり、個人向け国債「変動10年」は、半年ごとに利率が見直されます。

一例として、2023年3月に発行された国債の適用利率を見てみましょう。

変動10年(第155回)の発行条件8/9

変動10年(第155回)の発行条件

出所:財務省「変動10年「第155回債」」

【個人向け国債「変動10年(第155回債)」適用利率の推移】

  • 令和5年3月16日から令和5年9月15日:0.32%
  • 令和5年9月16日から令和6年3月15日:0.39%
  • 令和6年3月16日から令和6年9月15日:0.49%
  • 令和6年9月16日から令和7年3月15日:0.61%
  • 令和7年3月16日から令和7年9月15日:0.83%
  • 令和7年9月16日から令和8年3月15日:0.97%
  • 令和8年3月16日から令和8年9月15日:1.48%

このように、金利が上向く局面では、変動金利型ならではのメリットが発揮されやすく、受け取れる利息も増えやすくなります。

一方で、変動10年の利率は市場金利に連動して下がることもあります。

将来の利回りが確定していない点は、固定金利型とは異なる特徴であり、理解しておくべきポイントです。

とはいえ、元本は国の保証があるため、利率の上下があっても大きなリスクを取りたくない人にとっては、金利変動の恩恵を受けながら安全性も確保できる選択肢といえるでしょう。

4. 資金計画に合った資産管理を目指そう

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Andrii Yalanskyi/shutterstock.com

個人向け国債は、元本が国によって保証されており、安全性を重視した運用を行いたい人にとって利用しやすい商品です。

金利タイプや満期の異なる複数の種類が用意されているため、資金の使い道や運用期間に応じて選べます。

個人向け国債を検討する際は、「どのくらいの期間、資金を使う予定がないか」「金利変動をどこまで許容できるか」といった点を考慮して選ぶことが大切です。

安全性を軸にしながら、自身の資金計画に合ったタイプを選ぶことで、無理のない資産管理につなげていきましょう。

参考資料