「私はすぐに担任に報告。スマホの画面を見せると、担任はまったく知らなかった、と驚愕していました。
すぐに話し合いの場を設けてもらい、相手の子供たちから謝罪の言葉ももらいました。

娘はその後、他のクラスメイトと共に過ごしていたようです。3年生になった今、イジメをしていた子たちとはクラスも別れ、笑顔も戻りました。いい機会だから…と主人と娘はしっかりとスマホの使い方、友達について話し合い、今では娘は必要以上にスマホをいじらなくなりました。Facebookもインスタグラムももう止めました」

「私たちはスムーズに解決できてラッキーだったと思います」と話してくれたAさん。

SNSを使ったイジメは、本人が申し出ないとなかなか早期発見できません。また、Facebookやインスタグラムでの誹謗中傷は、相手が匿名の場合、誰だかわからず、子供が「親や先生に話しても犯人がわからないから解決できない」と泣き寝入りする場合もあります。

また、ネットでの誹謗中傷というは、スマホさえあれば、誰でもどこでも簡単に行えます。その手軽さゆえ、あまり深刻に考えず、「ちょっと気に入らないから」「気に食わないことがあったから」と軽い気持ちで行う子供が多いのも問題です。その点では、自分の子供が簡単に被害者になるのと同じくらい、簡単に加害者になる可能性も高いのです。

ただ単にスマホを取り上げると解決になるか…というとそういうワケではありません。
我が子をネットイジメの被害者にも加害者にもさせないために、スマホを与えるときにしっかりとその使い方について話しておくことが大切だと言えます。

もし、イジメにあった場合、大切なのは親が子供の安全地帯になってあげること。これはネット上のイジメでも例外ではありません。抱えきれない問題を子供がひとりで無理矢理抱えこんでしまわないように、しっかりと親子の信頼関係を築いておくことが、イジメの被害者にも加害者にもさせないことへの第一歩なのです。

■速やかな対応を

スマホを与えた当初は、SNSなんて興味がない…という態度だった子供も、友達に影響されてSNSを使用しはじめる、ということもよくあります。最初に話して終わり、とするのではなく、定期的にスマホの使い方やリテラシー教育を行うことが重要なのではないでしょうか。

スマホは非常に便利なツールであると同時に、リスクも非常に高いものである、ということを親子で忘れないようにしておきたいものですね。

大中 千景