2. 【税金】前年の所得から算定される「住民税」に注意

退職翌年に納める税金として、所得税と住民税の2つを見ていきましょう。年収600万円の場合の税額は、それぞれ以下のとおりです。

  • 所得税
    ・所得金額:600万円-164万円-90万円-68万円=278万円(※1)
    ・所得税額:278万円×10%-9万7500円=18万500円
  • 住民税
    ・所得金額:600万円-164万円-90万円-43万円=303万円
    ・住民税額
     所得割:303万円×10%=30万3000円
     均等割:5000円(森林環境税含む)
  • 合計:30万8000円

※1:給与所得控除164万円、社会保険料控除90万円(年収の15%)、基礎控除68万円で計算
※2:基礎控除43万円で計算

とくに気をつけたいのは住民税です。所得税については、2025年度の税制改正により基礎控除が拡大しており、課税所得が以前よりも低くなりました。そのため、税負担も少なくなっています。

一方、住民税の基礎控除はこれまでどおり43万円で変わらないため、所得税計算時の課税所得よりも大きい金額が算定対象になります。よって、所得税よりも金額が高くなる傾向にあるのです。

加えて、所得税については税率を掛けた後に一定額の控除を受けられます。しかし、住民税については所得に応じて負担額が決まる所得割に加えて、納税者が均一に負担する均等割が課されます。そのため、税額の差が開きやすいのです。

年収600万円の人が定年退職した場合、所得税は月額約1万5000円、住民税は月額約2万5000円で、合計約4万円が毎月手元から差し引かれます。収入が下がるなかで4万円が毎月差し引かれるのは、決して軽い負担とはいえないでしょう。

次章では、社会保険料の負担額を解説します。