3. 始める前に押さえておきたい「メリットと注意点」
魅力的な純金積立ですが、始める前にはリスクや税金の仕組みを正しく理解しておく必要があります。
- 「増える」のではなく「守る」資産: 金は株式の配当や預金の利息のような「インカムゲイン」を生みません。あくまで価格差による利益(キャピタルゲイン)を狙うものです。
- 手数料のコスト: 年会費や買付手数料がかかります。少しでも効率を上げるなら、ネット証券など手数料の安い窓口を選ぶのが鉄則です。
- NISAは対象外: 純金積立そのものはNISAの枠外です(金関連のETFや投資信託であればNISAを活用できる場合があります)。
【重要】取引形態による税制の違い: 金の売却益は一般的に「譲渡所得」となりますが、取引方法によって課税方式が異なります。
- 現物取引(インゴット等の受け渡しがある場合): 保有期間が5年を超えると、課税対象となる所得が2分の1に減額されるという大きなメリットがあります(国税庁:金地金の譲渡による所得)。
- 現物を伴わない取引(一部の証券取引など): 「分離課税」として扱われる場合があり、その場合は保有期間に関わらず一律20.315%の税率が適用されます。この場合、上記の「2分の1控除」は受けられないため、契約前に確認が必要です。
金地金を売ったときの所得は、原則、譲渡所得として、給与所得など他の所得と合わせて総合課税の対象となります。
譲渡所得以外の所得として課税される場合
金地金の譲渡が営利を目的として継続的に行われている場合には、その実態に応じて事業所得または雑所得となります。なお、金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は金地金の現物の譲渡とは異なり、実態は金融取引に近いことから、金融類似商品の収益として一律20.315パーセント(所得税および復興所得税15.315パーセント、地方税5パーセント)の税率による源泉分離課税となります。
金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は、源泉徴収だけで課税が終了しますので、他の所得と合算して確定申告をすることはできません。
4. まとめ:相場を追わず、時間を味方につける
1gあたり3万円という数字を見ると「今からでは遅すぎる」と感じるかもしれません。しかし、金投資の本質は「安値で買って高値で売り抜ける」ギャンブルではなく、資産の一部を「価値の落ちにくい金」に換えて守っていくことにあります。
特に1gという極小サイズでも数万円の価値がある金は、場所を取らずに大きな資産を保有できる「究極の資産」とも言えます。一括で購入するのは勇気がいりますが、積立なら今日からでも始められます。
10年後のあなたが「あの時、コツコツ始めておいてよかった」と思えるよう、長い目での資産形成を検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
和田 直子