2026年最初の年金支給日は、2月13日です。2月と4月は、現行の金額での支給となります。そして、6月からは2026年度分の年金支給が始まります。
2026年度の年金額は、国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の増加となりました。年金受給者の老後の生活や日々の支出において、改訂による年金増額はどう影響するのでしょうか。
この記事では、2026年度の年金受給額について解説します。
1. 2026年度の国民年金の標準金額は?
厚生労働省が公表した2026年度の国民年金(基礎年金)の金額は、以下のとおりです。
- 2025年度:6万9308円
- 2026年度:7万608円(前年度+1300円)
2025年度から1300円上昇し、7万円台を超えました。
上記の金額は、20歳から60歳までの40年間、国民年金保険料を納めた際に受け取れるものです。未納期間や免除期間がある人は、その期間に応じて年金が減額されます。
前年度から1300円、年間で約1万5000円の増額となりますが、昨今の物価高を考えると決して生活に十分な金額とはいい切れません。
次章では、2026年度の厚生年金の金額について見ていきましょう。
2. 2026年度の厚生年金のモデル金額は?
厚生労働省では、国民年金とあわせて、厚生年金の想定受給額についても公表しています。厚生年金は国民年金とは異なり、現役時代の給与や加入期間によって決まります。そのため、基礎年金を含めた総受給額を、モデルとして公表しています。
2026年度の厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金含む)のモデル金額は、以下のとおりです。
- 2025年度:23万2784円
- 2026年度:23万7279円(前年度+4495円)
いわゆる専業主婦(夫)世帯の標準的な年金受給額は、約24万円となりました。実際の受給額目安は世帯主が「厚生年金+基礎年金」で約17万円、配偶者が基礎年金7万円を受け取る形です。
世帯で月額4000円以上収入が増えるため、生活に多少ゆとりが生まれる可能性があります。ただし、収入の増加にともない、国民健康保険料や介護保険料といった社会保険料も上昇する可能性がある点には、注意が必要です。
2026年度の年金は国民年金・厚生年金ともに上昇しましたが、生活にはどのような影響を与えるのでしょうか。次章で解説します。
3. 次年度も「実質目減り」の理由
2026年度の国民年金は、今年度から1.9%増額となりました。しかし、物価がそれ以上に上昇していることから、今回の改定による年金の価値は「目減り」しています。
年金改定は、物価変動率と名目手取り賃金変動率を比較し、改定率を決定します。2026年度のそれぞれの数値は、以下のとおりです。
- 物価変動率:3.2%
- 名目手取り賃金変動率:2.1%
「物価変動率のほうが名目手取り賃金変動率より高い」場合は、名目手取り賃金変動率の数字を採用する決まりになっているため、改定率の根拠として2.1%が採用されます。
そして、目減りに拍車をかけているのが「マクロ経済スライド」による調整です。マクロ経済スライドとは、将来の現役世代の負担が過重にならないよう、年金の給付水準を調整する仕組みです。2026年度は国民年金で▲0.2%、厚生年金で▲0.1%の調整が行われたため、最終的な改定率は以下のようになりました。
- 国民年金:1.9%増(2.1%-0.2%)
- 厚生年金:2.0%増(2.1%-0.1%)
物価上昇率は3.2%と、改定率とは1%以上の乖離があります。年金の受給額が増額されたとはいえ、その価値自体は昨年よりも下がっていることから、今回の改定は決して喜べる結果とはいえないのです。
次章では、改定された金額が振り込まれる時期を解説します。
4. 改定金額で振り込まれるのは「6月から」
改定された年金額は、4月分から反映されます。ただし、4月には振り込まれず、6月に振り込まれる点に注意が必要です。
年金は、毎年偶数月に前2ヵ月分がまとめて支給されます。つまり、2026年の受給スケジュールは、以下のようになるのです。
- 2月:12月・1月分
- 4月:2月・3月分
- 6月:4月・5月分
- 8月:6月・7月分
- 10月:8月・9月分
- 12月:10月・11月分
2026年度の金額で年金支給が始まるのは、4月分が支給される6月からです。4月は年度の始まりですが年金支給月でもあるため、4月から新たな金額での年金支給が始まると混同されがちです。しかし、実際に支給が始まるのは6月からとなっているため、注意しましょう。
5. まとめ
2026年度の年金は国民年金・厚生年金どちらも増額となりましたが、実際には昨年よりも年金の実質的な価値が下がっている状況です。物価高の状況において、価値の目減りは家計にも悪い影響をおよぼす可能性があります。貯蓄の一部を運用するなど、物価高に備えられる資産を用意するのが重要です。


