一定所得以下の年金受給者には、2月13日の年金支給日に「年金生活者支援給付金」が支給されます。

支給額は人によって異なりますが、中には約2万円も上乗せされる人もいます。比較的新しい制度であるため、「いくらくらい支給されるの?」「支給額はどうやって計算するの?」などの疑問を感じている人もいるでしょう。

本記事では、厚生労働省の最新データをもとに、年金生活者支援給付金の給付状況と給付金額について解説します。

年金種類ごとの支給額計算方法や、給付額に大きな差が生まれる理由も紹介しますので、老後を支える年金制度の基礎知識として確認しておきましょう。

1. 年金生活者支援給付金の給付状況(最新データ)

年金生活者支援給付金には、受給している基礎年金の種類によって次の3種類があります。

  • 老齢年金生活者支援給付金(老齢基礎年金の受給者)
  • 障害年金生活者支援給付金(障害基礎年金の受給者)
  • 遺族年金生活者支援給付金(遺族基礎年金の受給者)

厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、支援給付金の種類別、給付金額別の給付件数は次の通りです。

1.1 老齢年金生活者支援給付金

老齢年金生活者支援給付金1/3

老齢年金生活者支援給付金

出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

  • 1000円未満:7万5101件
  • 1000円以上2000円未満:31万4450件
  • 2000円以上3000円未満:59万9166件
  • 3000円以上4000円未満:108万2177件
  • 4000円以上5000円未満:103万4357件
  • 5000円以上6000円未満:104万5423件
  • 6000円以上7000円未満:18万5291件
  • 7000円以上8000円未満:9万3265件
  • 8000円以上9000円未満:4万4796件
  • 9000円以上1万円未満:1万9891件
  • 1万円以上:1万524件
  • 平均給付金額:4146円

1.2 障害年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金2/3

障害年金生活者支援給付金

出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

  • 5000円以上6000円未満:149万3700件
  • 6000円以上7000円未満:68万3466件
  • 平均給付金額:5727円

1.3 遺族年金生活者支援給付金

遺族年金生活者支援給付金3/3

遺族年金生活者支援給付金

出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

  • 1000円以上2000円未満:607件
  • 2000円以上3000円未満:1569件
  • 3000円以上4000円未満:-
  • 4000円以上5000円未満:-
  • 5000円以上6000円未満:7万5531件
  • 平均給付金額:5228円

特に老齢年金生活者支援給付金で分布の幅が大きく、給付金額が月額1万円以上となるケースもあります。

基本的に年金支援給付金は2ヶ月分が偶数月に支給されるため、2月13日の年金支給日に約2万円の上乗せ給付を受ける人もいるということです。

なぜ、支援給付金種類別に給付金額の分布が大きく異なるのでしょうか。次章ではその理由と支援給付金の計算方法に迫ります。

2. なぜ「老齢年金生活者支援給付金」に個人差がある?

老齢年金生活者支援給付金の給付金額は、原則保険料納付月数に応じて次の通り計算します(2025年度の水準)。

  • 給付金額=5450円×保険料納付月数÷480ヶ月

20歳から60歳まで保険料をすべて納付(保険料納付月数480ヶ月)した人の給付金額は5450円となりますが、未納の月数が多い場合、給付金額が少なくなります。

ただし、前述の給付件数表では給付金額6000円以上が一定件数あり、ごく一部ですが10000円を超える給付もありました。その理由は、保険料免除期間に対して、次の通り給付金額を高く設定しているからです。

  • 給付金額=1万1551円×保険料免除月数÷480ヶ月

たとえば、20歳から60歳までの480ヶ月間すべてに保険料全額免除が適用された場合、給付金額は1万1551円となります。

このケースでの老齢基礎年金額は満額(2025年は原則83万1700円)の半額となるため、支援給付金を手厚くして年金受給者の生活を支えるということです。

もし保険料納付期間と保険料免除期間の両方がある場合、それぞれ上記の通り計算して合算します。保険料4分の1免除期間については、次の通り計算方法が異なります。

  • 給付金額=5775円×保険料4分の1免除月数÷480ヶ月

3. 障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金の計算方法

一方、障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金は、老齢年金生活者支援給付金ほどに個人差が大きくありません。

3.1 障害年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金の給付金額は、障害等級に応じて次の通り決まります。障害等級1級の給付金額は2級の1.25倍です。

  • 障害等級1級:6813円
  • 障害等級2級:5450円

3.2 遺族年金生活者支援給付金

遺族年金生活者支援給付金の給付金額は、一律5450円です。

前述の給付件数表で3000円未満の給付が少数あったのは、遺族基礎年金の受給者が複数いる場合、1人当たりの給付金額が5450円を受給者数で割った金額となるからです。

遺族基礎年金の受給者が複数になるのは、死亡者に配偶者がいなくて複数の子どもが受給するケースです。

4. まとめ

基礎年金に上乗せで支給される支援給付金の基準額は5450円(2025年度)です。

老齢(保険料納付月数480ヶ月)・障害(障害等級2級)・遺族基礎年金受給者の給付金額は月5450円、障害等級1級の受給者は1.25倍の6813円です。

ただし、老齢基礎年金受給者の保険料免除期間に対する給付金額は高く設定されているため、給付金額が1万円(2月13日の振込額では2万円)を超えるケースもあります。

老後の家計収支を点検するために、年金額や支援給付金額を定期的にチェックしましょう。

参考資料

西岡 秀泰