2. 雇用保険から支払われるお金とは?
近年はシニア世代になっても元気に働き続ける方が増えてきています。
しかし現役世代の収入を維持することは難しく、収入が下がってしまうケースも少なくありません。
ここでは、働くシニア世代を支える雇用保険の手当・給付金を3つ紹介します。
- 再就職手当
- 高年齢雇用継続給付
- 高年齢求職者給付金
それぞれの内容と受給するための要件を解説します。
2.1 ①:再就職手当
再就職手当は、早期再就職を促進するために設けられた雇用保険の制度です。
失業が認定され、雇用保険の基本手当の受給資格の決定を受けた後に、再就職または事業を開始すると支給されます。
再就職手当の主な支給要件は以下の通りです。
- 就職等をする日の前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- 1年を超えて勤務することが確実であると認められること
- 離職前の事業主やその関連事業主への再就職ではないこと
再就職手当の額は基本手当の支給残日数によって変化し、早期に再就職が決まるほど支給額が多くなります。
長く勤めた会社を退職し、再就職する際には雇用保険の再就職手当の活用を検討してみると良いでしょう。
2.2 ②:高年齢雇用継続給付
高年齢雇用継続給付は、賃金が低下した状態で働くシニア世代を対象とした雇用保険の給付制度です。
支給要件は以下の通りです。
- 雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある、60歳以上65歳未満の被保険者
- 60歳以降の賃金が、60歳到達時点に比べて75%未満に低下した状態で働き続ける
高年齢雇用継続給付は、賃金の低下率に応じて支給率が変化します。
支払われた賃金額に支給率を掛けると、支給額が計算できます。
現役時代よりも賃金が低下したシニア世代の方は、高年齢雇用継続給付の申請を検討してみると良いでしょう。
2.3 ③:高年齢求職者給付金
高年齢求職者給付金は、65歳以上で失業の状態にある方が受給できる雇用保険の給付です。
支給要件は以下の通りです。
- 離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して6カ月以上あること
- 失業の状態にあること(就職したいという積極的な意思といつでも就職できる能力があり積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態)
高年齢求職者給付金は、被保険者であった期間に応じて支給額が変わります。
- 被保険者であった期間が1年未満:基本手当の30日分
- 被保険者であった期間が1年以上:基本手当の50日分
65歳以上で失業し、再就職したいという意思がある方は高年齢求職者給付金の申請を検討してみましょう。
3. 公的支援を有効活用しましょう
本記事では、シニア世代が受け取れる国の手当・給付金を5種類紹介しました。
扶養する配偶者・子どもがいたり、所得が一定の基準を下回ったりすると、年金に上乗せして加給年金や老齢年金生活者支援給付金などが受給できます。
また、早期に再就職が決まったり、現役時代より賃金が低下したりした場合は、雇用保険から給付を受けられます。
こうした公的支援制度は申請しないと受給できません。
ご自身の状況にあった制度を上手く活用し、ゆとりある老後生活を送りましょう。
参考資料
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「再就職手当のご案内」
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
- 厚生労働省「離職されたみなさまへ〈高年齢求職者給付金のご案内〉」
丸山 大輝


