ソニー株式会社が2026年1月20日に発表したテレビ事業分離のニュースにSNSで衝撃が走っています。「まさかソニーのテレビまで…」と嘆く人がいる一方で、意外にもポジティブな反応も多いようです。

2026年1月20日に発表されたソニーのテレビ事業分離のニュースに衝撃が走った1/5

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1. 【ソニーがテレビ事業を分離】ソニーとTCLの合弁会社に事業を継承

今回のニュースが発表されたのは、2026年1月20日。

内容は、同社がTCL Electronics Holdings Limited(以下、TCL)とソニーのホームエンタテインメント事業を承継した合弁会社を立ち上げ、テレビやホームオーディオなどの機器の製品開発・設計から製造・販売・物流及び顧客サービスまで一貫した事業をグローバルで展開していくというものでした。

TCLはテレビ出荷台数で世界シェア2位を誇る巨大メーカーです。日本法人を15年に立ち上げて以来、グローバル企業のスケールメリットを生かしたコスパと開発力でじわじわとシェアを拡大。24年には国内台数シェアで8.1%を記録するなど、すでに有力ブランドの一角となっています。

日本のテレビ市場でもポジションを確立しつつあるTCL2/5

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最大のポイントは、ソニーのテレビブランド「ブラビア」が、TCLが過半数の出資比率を占める合弁会社(TCL:51%、ソニー:49%)に事業を継承するということです。製造と運営の主導権を握るのはTCLとなるため、事実上の事業売却ではないかと衝撃が広がりました。

2. 【ソニーがテレビ事業を分離】高い技術力で一時代を築いた「ブラビア」

「ブラビア」が誕生したのは、2005年。「Best Resolution Audio Visual Integrated Architecture」の頭文字を取ったその名は、単なるテレビを超えた「最高の視聴体験」を届けるというソニーの決意の表れでした。

独自の高画質プロセッサー「XR」や画面そのものから音が出る「アコースティック サーフェス オーディオ」など、他社には真似できない独自の技術力は、コンテンツにこだわる層から高い支持を獲得し、高品質の薄型テレビとして一時代を築きました。

しかし、韓国や中国の資本力にすぐれる家電メーカーの参入で、状況は一変します。圧倒的な生産規模と垂直統合型のサプライチェーンを武器に、圧倒的なコスパを実現するこれらのメーカーに価格競争で勝つことが難しくなり、世界におけるポジションを奪われるようになりました。

日本メーカーはLGやSAMSUNG、ハイセンスなど中韓勢の価格競争に敗れ、世界市場におけるシェアが急落した3/5

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3. 【ソニーがテレビ事業を分離】合弁会社設立は「量より質」の次の一手

ここ数年のソニーは価格競争からは距離を置き、「量より質」への転換を推し進めてきました。販売台数は追わずに、大型・高付加価値モデルに特化することで利益率を確保する戦略です。

直近のソニーは大型・高付加価値モデルに特化した戦略を打っている4/5

出所:ソニー株式会社

今回の合弁会社設立には、「製造や物流のコスト負担をパートナーに委ねつつ、自社はブランドと技術開発に集中する」という狙いがあり、「量より質」戦略を徹底していく姿勢がうかがえます。

リリースでも「ブラビアというブランドは継続される」「ソニーの高画質・高音質技術とブランド力に、TCLの先端ディスプレイ技術と世界規模の生産コスト競争力を組み合わせる」「合弁会社がこれまでのサポートを継承する」といった趣旨が記載されており、身を切りつつも生き残りのために次の一手を打ったという見方もできます。

4. 【ソニーがテレビ事業を分離】意外と多いポジティブな反応

今回のニュースを受けて、SNSでは「まさかソニーのテレビまで…中身がTCLになったら、それはもうソニーではない」「(出資比率)2%の差は大きい…」といった嘆きの声が広まりました。

日本の家電大国からの凋落はいまに始まったことではありませんが、ソニーはそのなかでもメイドインジャパンとして踏ん張っていたメーカーという認識の強い方も多く、今回のテレビ事業分離には、大きなショックを受けているようです。

ただ、発表当初はネガティブな意見が圧倒的だったものの、時間の経過とともに、ポジティブな意見も増えてきています。大きなポジティブな要素としてみなされているのが、「REGZA(レグザ)」という良い前例です。

「レグザ」はハイセンスへの売却によって、ブランドとして息を吹き返した5/5

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レグザは東芝の経営不振に伴い、2018年に中国のハイセンスに売却されました。当初は「レグザは終わった」などの意見が大半を占めていましたが、2020年以降はソニーをはじめとした国内メーカーのシェアを抜き去るなど、大復活を遂げています。

同ブランドは売却されたあとも、同じ開発チームを残し、日本主導でレグザらしい高画質や機能を維持してきました。そこにハイセンスのスケールメリットが加わることで、価格競争力も強化され、結果として短期間でブランド力を回復するに至りました。

「ブラビアは高すぎて買えなかった。高嶺の花だったブラビアが、TCLのコスト感で手に入るならむしろ歓迎」という反応もありました。ドライなユーザー目線でみれば、ソニーの「量より質」は購入ハードルになっており、むしろ価格競争力がつくことはメリットというわけです。

果たしてブラビアはレグザの成功例を再現できるのか。新しい合弁会社の事業開始は2027年4月予定なので、結果が出るのはまだ先のことになりそうですが、新生ブラビアの生存戦略に注目したいところです。

参考資料