2. なぜその職業?憧れと現実的な目線
なりたい職業に選んだ具体的な理由を見ると、中学生と高校生では視点が少しずつ異なります。
2.1 中学生の「なりたい職業」の理由
その職業に就きたい理由は?中学生に聞いた理由の上位をピックアップしてみました。
男子中学生 1位:スポーツ選手
- スポーツが好きだから(中1男子)
- サッカーを習っていて、ハマったから(中2男子)
- スター選手たちを見てなりたいと思った(中3男子)
男子中学生 2位:教師・教員・大学教授
- 担任に憧れた。人と関わったり、人のために動く仕事が好きだから(中3男子)
YouTuber、Vtuberなどの動画投稿者
- 自分が落ち込んでいる時に励まされたから(中1男子)
システムエンジニア・プログラマー
- 小学4年生のときに、プログラミングの授業があり、そこで面白いなと思った(中3男子)
ゲーム業界の仕事
- ゲームが好きでスクラッチをしていたら楽しいと感じるから(中1男子)
運転手・ドライバー
- 小さい頃に運転士さんに手をふってもらいそこから憧れているから(中3男子)
女子中学生 1位:イラストレーター
- 絵を描くのが好きだから(中1女子)
- ハローワークで講座を受けてみてとても関心を持った(中2女子)
- 自分の絵で人の心を動かしたいと思ったから(中3女子)
女子中学生 2位:教師・教員・大学教授
- 恩師がいるから。子供と関わる仕事が好きだから(中1女子)
- 教えるのが好きだから(中2女子)
- 職業体験で行って気になった(中3女子)
女子中学生 3位:看護師
- お母さんが看護師だから(中1女子)
- 憧れの人の職業(中2女子)
- 小さい時、入院していてその時に出会った看護実習生の方が優しくそうなりたいと思った(中3女子)
中学生の場合、男子1位のスポーツ選手は「スポーツが好きだから」や「スター選手を見て憧れたから」といった、純粋な好きの気持ちが原動力となっています。
女子1位のイラストレーターも「絵を描くのが好きだから」「自分の絵で人の心を動かしたい」といった、自己表現への意欲が強く現れています。
二位以降では憧れだけではなく、自分の興味や原体験が滲み出る声も多くあり、少しずつ職業選択の意識が出ていることがわかります。
2.2 高校生の「なりたい職業」の理由
その職業に就きたい理由は?高校生に聞いた理由の上位をピックアップしてみました。
男子高校生 1位:国家公務員・地方公務員
- 安定しているから(高2男子)
- 国の役に立ちたい(高2男子)
- 自治体に根差した仕事をしたいから(高3男子)
男子高校生 2位:システムエンジニア・プログラマー
- プログラミングが好きだから(高1男子)
- パソコンを扱える人がかっこいいから(高3男子)
機械エンジニア・整備士
- 工業高校に入学したから(高1男子)
- ものづくりが好きで、船に憧れを持ち、その船を作りたいと思った(高3男子)
女子高校生 1位:国家公務員・地方公務員
- 父親が公務員だから(高1女子)
- 安定。人の役に立ちたい(高2女子)
- まちづくりに携わりたいから(高3女子)
女子高校生 2位:看護師
- コロナ禍で見た医療従事者の方々が格好良かった(高1女子)
- 人を助ける仕事をしたいから(高2女子)
- 自分がお世話になったから(高3女子)
女子高校生 3位:教師・教員・大学教授
- 人に教えてわかってもらえるのが嬉しかったから(高1女子)
- 自分に向いていると周りに言われたり、自分でもそう思ったりしたから(高2女子)
事務職・営業職
- 文房具が好きなので便利な文房具開発に携わりたい(高1女子)
- 陰ながら誰かを支える仕事をしたい(高2女子)
一方で、高校生で支持を集めた公務員については、男女ともに「安定しているから」という理由がトップに挙がっています。また「国の役に立ちたい(男子高校生)」や「まちづくりに携わりたい(女子高校生)」といった、社会貢献や地域への根ざした働き方を求める声も目立ちます。
システムエンジニアを志す生徒は「プログラミングが好きだから」という興味に加え、パソコンを扱える人を「かっこいい」と感じる憧れも併せ持っています。
看護師志望の女子高校生からは「コロナ禍で見た医療従事者の姿が格好良かった」という実体験に基づく声も聞かれ、社会情勢が職業選択に影響を与えていることが分かります。
私自身、就活を終えて、小さい頃の憧れや興味を大切にすることは重要だと感じました。高校生が「安定」を求める声が多い中でも、やってみたいことを大切にしていたり、憧れを持っていたりすることは良いことかもしれませんね。
3. 将来「働くこと」への期待:成長とともに変化する意識
3.1 将来「働くこと(仕事をすること)」が楽しみですか?
男子中学生 (n=246)
- とても楽しみ: 28%
- やや楽しみ: 43%
- どちらともいえない: 23%
- あまり楽しみでない: 4%
- まったく楽しみでない: 2%
- 楽しみの割合: 71%
女子中学生 (n=241)
- とても楽しみ: 31%
- やや楽しみ: 41%
- どちらともいえない: 18%
- あまり楽しみでない: 6%
- まったく楽しみでない: 3%
- 楽しみの割合: 72%
男子高校生 (n=276)
- とても楽しみ: 23%
- やや楽しみ: 41%
- どちらともいえない: 24%
- あまり楽しみでない: 7%
- まったく楽しみでない: 5%
- 楽しみの割合: 64%
女子高校生 (n=271)
- とても楽しみ: 14%
- やや楽しみ: 46%
- どちらともいえない: 22%
- あまり楽しみでない: 12%
- まったく楽しみでない: 6%
- 楽しみの割合: 61%
将来「働くこと(仕事をすること)」が楽しみかどうかという問いに対しては、全体的に前向きな姿勢が見られるものの、学年が上がるにつれて「楽しみ」の割合がやや減少する傾向にあります。
「とても楽しみ」「やや楽しみ」を合わせた楽しみの割合は、男子中学生で71%、女子中学生で72%と7割を超えています。しかし高校生になると、男子は64%、女子は61%まで低下します。
とくに女子高校生では「とても楽しみ」の割合が14%と低く、将来のキャリア形成に対してより慎重、あるいは現実的な不安を抱えている可能性があります。不安なことがないか、家族や学校の先生など大人が一緒になって将来のキャリアに向き合ってみるのも大切かもしれません。
4. 家族の働き方が中高生の未来観に与える影響
4.1 将来「働くこと(仕事をすること)」が楽しみですか? 家族の働き方の印象別
楽しそう (n=124)
- とても楽しみ: 60%
- やや楽しみ: 32%
- どちらともいえない: 4%
- あまり楽しみでない: 4%
- まったく楽しみでない: 0%
どちらかといえば楽しそう (n=450)
- とても楽しみ: 23%
- やや楽しみ: 51%
- どちらともいえない: 21%
- あまり楽しみでない: 4%
- まったく楽しみでない: 1%
どちらかといえばつまらなそう (n=223)
- とても楽しみ: 14%
- やや楽しみ: 43%
- どちらともいえない: 27%
- あまり楽しみでない: 11%
- まったく楽しみでない: 4%
つまらなそう (n=108)
- とても楽しみ: 19%
- やや楽しみ: 31%
- どちらともいえない: 17%
- あまり楽しみでない: 21%
- まったく楽しみでない: 13%
わからない (n=129)
- とても楽しみ: 15%
- やや楽しみ: 33%
- どちらともいえない: 35%
- あまり楽しみでない: 5%
- まったく楽しみでない: 12%
中高生が将来に対して抱く期待感には、最も身近な存在である「家族の働く姿」が強く影響しています。
家族が「楽しそう」に働いている印象を持っている中高生のうち、実に92%が将来働くことを楽しみにしていると回答しました。逆に、家族が「つまらなそう」に働いている印象を持っている場合、将来への期待感は50%まで落ち込みます。
また、家族が楽しそうに働いている場合は「まったく楽しみでない」と答えた人は0%でしたが、つまらなそうな場合は13%にのぼります。
大人が仕事に向き合う姿勢そのものが、次世代にとっての「働くことのイメージ」を決定づける重要なロールモデルとなっているようです。



