確定申告のシーズンに入り「日本に億り人って、実際どれくらいいるのか」ふと、そんな素朴な疑問を持つ方もいるかもしれません。2026年度税制改正では、超高所得層への課税強化が打ち出され、注目が集まっています。冬から春へと移る2月、13日の年金支給日を前に、お金と制度を見直すにはちょうどいい時期です。

今回は、最新統計をもとに、富裕層税制と日本の億り人の実像を読み解きます。

1. 【億り人】「1億円の壁」ついに崩壊?税負担の公平性を確保!

個人所得課税「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の見直し」1/3

個人所得課税「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の見直し」

出所:財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」

政府の令和8年度税制改正大綱において、個人所得課税の「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の見直し」が盛り込まれました。

これまで日本の所得税では所得金額が極めて高い層において、所得に占める株式譲渡益などの割合が高くなることで実質的な税負担率が下がる、いわゆる「1億円の壁」が是正すべき課題とされてきました。

今回の改正では、税負担の公平性を確保する観点から、追加の税負担を計算する基礎となる「特別控除額」を現行の3億3000万円から1億6500万円に引き下げます。あわせて、適用される税率も現行の22.5%から30%へと引き上げられることになりました。

昨今の株高などで高い水準の所得を得ている層にとっては、負担適正化に向けた本格的な課税強化が実施されることになります。

2. 【億り人】確定申告者「年間所得100億円以上」日本に67名いる!

では、現在日本には所得1億円を超える「億り人」はどれくらいいるのでしょうか。国税庁の最新データ(令和6年分)によると、確定申告者約2336万人のうち、所得1000万円超の層は約188万人(全体の8.0%)でした。

さらに「年間所得1億円以上」に絞ると、合計で3万7988人にのぼります。

  • 1億円超〜2億円以下:2万4830人
  • 2億円超〜5億円以下:9444人
  • 5億円超〜10億円以下:2232人
  • 10億円超〜100億円以下:1427人
  • 100億円超:67人

年間で100億円以上を稼ぎ出す「スーパー億り人」が、日本にも67名存在している事実は驚きです。

3. 【億り人】所得1億円超の居住地ランキング「1位はどこ?」

億り人たちが住む地域には、極端な偏りが見られます。所得1億円超の居住地ランキングを算出すると、東京の独走状態が鮮明になりました。

  • 東京都:約1万5397人(全国の約4割)
  • 神奈川県:約3386人
  • 大阪府:約2513人
  • 愛知県:約2326人

特に注目すべきは、100億円超の超高所得者、いわゆる「スーパー億り人」の人数です。東京が33名と半数を占めるのは予想通りですが、愛知県は9名と、大阪(5名)や神奈川(5名)を抑えて全国2位となっています。 製造業などのオーナー経営者が多い地域の特性が反映されているのかもしれません。

4. まとめにかえて

今回は、2026年度税制改正のポイントと、日本の億り人の最新動向について解説しました。所得1億円超の人数や地域分布から、富裕層の偏りが浮かび上がります。課税強化は公平性を意識した流れといえるでしょう。こうした変化を知ることで、自分の立ち位置を客観的に考えられます。確定申告の時期を機に、長期的な視点でお金との向き合い方を見直してみましょう。

参考資料

横野 会由子