2025年12月に、公務員に冬のボーナスが支給されました。国家公務員の冬のボーナスの平均支給額は約74万6100円です。「安定していて羨ましい」と感じた人もいるのではないでしょうか。
民間企業の賃上げの波を受け、公務員の給与もそれに準じたものになってきています。2026年2月現在、公務員の給与はどれくらいなのでしょうか。
この記事では、国家公務員と地方公務員の給与について比較していきます。
1. 国家公務員の平均給与はいくら?
国家公務員の給与は、民間企業の給与水準に合わせて毎年見直されます。具体的には「人事院勧告」という勧告をもとに、給与を見直しています。最新の国家公務員の平均給与は、以下のとおりです。
- 平均給与月額:42万4979円
- 俸給:34万5458円
- 地域手当等:4万4336円
- 俸給の特別調整額:1万1810円
- 扶養手当:8573円
- 住居手当:7227円
- その他:7575円
平均給与は42万円台です。内訳を見てみると、基本給である「俸給」は34万円台で、残りは手当収入となっています。
職務にあたる地域の物価や生活水準の差を調整するために支給される「地域手当」は4万円台と、ほかの手当に比べてとりわけ高い額となっています。
次は、職種別に見てみましょう。
- 行政職(一):41万4480円
- 行政職(二):33万7907円
- 専門行政職:46万1821円
- 税務職:44万2129円
- 公安職(一):39万9794円
- 公安職(二):42万4820円
- 海事職(一):46万3723円
- 海事職(二):39万1116円
- 教育職(一):48万8212円
- 教育職(二):46万7537円
- 研究職:56万4064円
- 医療職(一):86万880円
- 医療職(二):36万8522円
- 医療職(三):37万5323円
- 福祉職:39万5165円
- 専門スタッフ職:61万4766円
- 指定職:104万4184円
- 特定任期付職員:65万9198円
- 第一号任期付研究員:53万546円
- 第二号任期付研究員:42万1092円
国家公務員として一般的にイメージするのは「行政職」の人々です。行政職(一)の平均給与は41万4480円です。職種によって受け取る給与金額はさまざまで、指定職や医療職、専門スタッフ職などはとくに高額な給与を受け取っています。
次章では、地方公務員の平均給与を見ていきましょう。
2. 地方公務員の平均給与はいくら?
地方公務員は、都道府県や市区町村で働くため、勤務先は多種多様です。役所・役場で働く人のほか、消防職員や教師、公立病院医師、保育士なども地方公務員に該当します。
地方公務員の平均給与は、以下のとおりです。
- 全体:41万6075円
- 一般行政職:40万2761円
全体平均は41万円台、役所・役場で働く行政職に限って見てみると、40万円台となっています。平均給与では、国家公務員との差はあまり見られません。こちらも地域手当が2万1467円、職種によって支給される特殊勤務手当が5596円など、手当が充実しています。
ただし、地域によって物価や生活水準が異なるため、都市部ほど給与が高く、地方ほど給与が低くなっている可能性があるといえます。国家公務員よりも、上位層と下位層の給与に差が見られると考えられます。
次章では、給与差をあらためて比較してみましょう。
3. ボーナスも含めた「年収」の差を比較
国家公務員と地方公務員で、ボーナスも含めた年収を比較してみましょう。
ボーナスも含めた「年収」の差4/4
出所:内閣官房「令和7年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」、内閣官房「令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」、総務省「令和6年地方公務員給与の実態 第5表 職種別職員の平均給与額」をもとに筆者作成
国家公務員
- 平均給与:42万4979円
- 賞与:約145万2800円
- 年収:655万2548円
地方公務員
- 平均給与:41万6075円
- 賞与:161万4265円
- 年収:660万7105円
※国家公務員については、令和7年6月期の平均支給額と令和7年12月期の平均支給額を足し合わせている。
※地方公務員については、期末手当87万2164円、勤勉手当74万2101円を足し合わせている。
ボーナスも含めた年収を比較してみると、地方公務員のほうがやや高い結果となりました。
地方公務員と国家公務員の差はボーナスにあります。ボーナスは、地方公務員のほうが15万円ほど高くなっており、国家公務員に差をつけています。
国家公務員の直近のボーナスが約74万6100円なのに対し、地方公務員の期末手当は10万円以上高い87万2164円です。前述のとおり地方公務員は多くの場所で勤める分、高待遇の自治体・職種のボーナスが、全体の平均金額を引き上げていると考えられるでしょう。
次章では、公務員にも降りかかる物価高について解説します。
4. 公務員も「物価高の波」に飲まれる?
物価高は、たとえ公務員のような安定した職業であっても影響を受けます。とくに社会保険料の上昇や間もなく徴収が始まる「子ども・子育て支援金」の影響などから、額面が増えても手取り収入はなかなか増えていません。
実際、物価の影響を考慮した指標である「実質賃金」は、2025年11月時点で2.8%減少しており、賃上げ分は物価の上昇にかき消されている状況です。
安定して給与が受け取れる公務員ですが、決して誰もが生活に余裕があるわけではないといえるでしょう。
5. まとめ
国家公務員と地方公務員は、平均給与こそ大きな差は見られませんでしたが、ボーナスまで含めて比較すると、地方公務員のほうが金額が高い結果となりました。どちらも安定して収入を得られる立場ですが、一方で私たちと同じように物価高の影響を受けています。
公務員であっても、インフレによる資産価値の目減りにどう対抗していくか、考えていく必要があるでしょう。
参考資料
- 内閣官房「令和7年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
- 人事院「令和7年 国家公務員給与等実態調査」
- 総務省「地方公務員給与実態調査」
- 内閣官房「令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
- 総務省「令和6年地方公務員給与の実態 第5表 職種別職員の平均給与額」
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年11月分結果速報 を公表します」
石上 ユウキ