財務省は2026年1月7日、今月募集分の個人向け国債の発行条件を発表しました。注目の「変動10年」の初回適用利率は1.39%となり、前月の1.23%から0.16ポイント上昇。また「固定5年」も1.59%と、非常に魅力的な水準となっています。
長らく続いた低金利時代を経て、現在は金利上昇局面へとフェーズが変わりました。
投資信託や株式投資などリスクのある運用に抵抗がある方にとって、国が元本を保証する個人向け国債は、大切な資金を守りながら増やす有力な選択肢となるでしょう。
本記事では、最新の募集条件とともに、金利上昇時にメリットが大きい「変動10年」の推移や選び方のポイントを詳しく解説します。
1. 【2026年1月募集】個人向け国債の金利:変動10年は1.39%、固定5年は1.59%
「個人向け国債」は、日本政府が個人投資家を対象に発行する債券であり、日本国内で提供されている金融商品の中でも特に安全性が高い資産の一つとされています。
1.1 個人向け国債の3つの種類とそれぞれの特徴
個人向け国債には「変動金利10年」「固定金利5年」「固定金利3年」の3種類があります。
変動金利型(10年満期)
- 適用利率が半年に一度更新されます。
- 年率0.05%の金利が最低保証されています。
- 市場金利の上昇にあわせて受取利息が増えるのが大きなメリットです。
固定金利型(5年満期)
- 購入時に設定された利率が満期まで変わりません。
固定金利型(3年満期)
- 購入時に設定された利率が満期まで変わりません。
1.2 2026年1月募集分の発行条件をチェック
最新となる1月募集【募集期間:2026年1月8日(木)~1月30日(金)】における個人向け国債の金利は、以下の通りです。
- 変動10年:1.39%(12月募集分は1.23%、11月募集分は1.10%)
- 固定5年:1.59%(12月募集分は1.35%、11月募集分は1.19%)
- 固定3年:1.30%(12月募集分は1.10%、11月募集分は0.99%)
いずれのタイプも、11月から1月にかけて段階的に金利が上昇していることがわかります。特に「固定5年」の1.59%という数字は、一般的な定期預金と比較しても存在感が際立っています。
もし10年以上使う予定のない資金で個人向け国債の購入を考える場合、変動10年にするか、固定5年にして満期が来たら再度固定5年を購入するかなど、選択に迷う方もいるかもしれません。
特に現在のように金利が上昇している局面では、今月購入するべきか、来月まで待つべきかなど、決断が難しいと感じることもあるでしょう。
変動10年と固定5年のどちらを選ぶか、判断の参考として変動10年の適用利率が過去にどのように変動してきたのか、具体的な事例を見ていきましょう。
2. 「変動10年」の適用利率はどれくらい変わる?過去の推移から見る受取利子
変動金利型(10年満期)の最大の特徴は、実勢金利に合わせて半年ごとに適用利率が見直される点です。金利が上昇する局面では、後から受け取る利子が増えていく期待が持てます。
具体例として、2023年6月に発行された「第158回債」を100万円分購入した場合の推移を見てみましょう。
個人向け国債「変動10年(第158回債)」適用利率(税引前)の推移
- 2023年6月16日~2023年12月15日:0.28%
- 2023年12月16日~2024年6月15日:0.60%
- 2024年6月16日~2024年12月15日:0.57%
- 2024年12月16日~2025年6月15日:0.65%
- 2025年6月16日~2025年12月15日:0.84%
- 2025年12月16日~2026年6月15日:1.10%
発行当初は0.28%だった変動10年(第158回債)の適用利率が、直近では1.10%まで上昇していることが確認できます。
この国債を100万円分購入した場合に受け取れる利子をシミュレーションしてみましょう。
シミュレーション:変動10年(第158回債)を100万円購入した場合の受取利子
- 2023年6月16日~2023年12月15日:税引前1400円(税引後1116円)
- 2023年12月16日~2024年6月15日:税引前3000円(税引後2390円)
- 2024年6月16日~2024年12月15日:税引前2850円(税引後2271円)
- 2024年12月16日~2025年6月15日:税引前3250円(税引後2589円)
- 2025年6月16日~2025年12月15日:税引前4200円(税引後3346円)
- 2025年12月16日~2026年6月15日:税引前5500円(税引後4382円)
※利子の受取時には20.315%の税金が差し引かれます。
最初の半年間に受け取れる利子は税引後で1116円でした。
しかし、適用利率は半年ごとに着実に上昇し、2年半後には税引後で4382円と、約4倍に増えている計算です。
2.1 注意しておきたい「中途換金」のルール
個人向け国債は発行から1年が経過すれば、1万円単位で中途換金が可能です。ただし、直近2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が「中途換金調整額」として差し引かれます。
売却のタイミングによっては直近1年分の利子がほとんど手元に残らないケースもあるため、原則としては「当面使う予定のない余裕資金」で検討することが大切です。
3. まとめ:金利ある世界での資産形成、自分に合った選択を
日本でも「金利のある世界」が日常となりつつあります。
2026年1月募集の個人向け国債は、変動10年が1.39%、固定5年が1.59%と、預貯金に眠らせている資金の預け先として無視できない水準まで上昇しました。
個人向け国債は元本割れの心配がなく、1万円から購入できる手軽さが魅力です。
一方で、インフレ(物価上昇)のスピードが金利を上回るリスクや、中途換金時の制約なども存在します。
まずはご自身の保有資産のうち、どの程度を「安全資産」として確保したいのかを整理した上で、今回のような好条件のタイミングで活用を検討してみるのも良いでしょう。


