3. 【シミュレーション】年金受給者の介護保険料を計算

介護保険料は、自治体が定めた基準額に、所定の割合を掛けて算出します。基準額は収入や所得によって区分され、所得が高い人ほど保険料も高くなります。たとえば、東京都新宿区の基準額は6600円です。この金額に所定の割合を掛けて保険料を算出しています。

年金受給者の収入は、人によって異なります。新宿区の基準を例として、いくつかの収入パターン別に介護保険料を算出してみましょう。

3.1 年金収入80万円(単身)の場合

年金収入が少なく、住民税が非課税になるような世帯では、保険料の負担が軽減され、最低限の負担で済む可能性が高いでしょう。基準額の割合と保険料は以下のとおりです。

介護保険料はどれくらい?(年金収入80万円の単身者)3/7

介護保険料はどれくらい?(年金収入80万円の単身者)

出所:新宿区「介護保険料の決まり方」をもとに筆者作成

  • 基準額に対する割合:0.25倍
  • 保険料(月額):6600円×0.25=1650円

年金収入が80万円付近の場合、保険料は最低額になるケースが多いです。新宿区の場合は月額1650円となっており、年間でも1万9800円と、2万円を下回る金額となっています。負担する保険料が少ない分、生活支出に年金収入を充てやすくなります。

3.2 年金収入200万円(単身)の場合

年金収入が200万円になると、保険料がやや上昇します。具体的には、以下のとおりです。

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介護保険料はどれくらい?(年金収入200万円の単身者)

出所:新宿区「介護保険料の決まり方」をもとに筆者作成

  • 基準額に対する割合:0.65倍
  • 保険料(月額):6600円×0.65=4290円

年金収入が200万円ほどになると、住民税が課税されます。そのため、所得金額によって保険料段階が決まります。

年金収入には、公的年金等控除が適用されます。65歳以上で年金収入200万円の場合、控除額は110万円です。よって、所得は90万円になります。

所得90万円の人の基準額に対する割合は、1.1倍です。そのため、保険料額は月額7260円となります。課税世帯になると、負担する保険料が上昇するため、住民税がギリギリ課税される水準の年金収入がある人は注意しなければなりません。

3.3 年金収入400万円(単身)の場合

年金収入400万円のように、現役並みの収入がある人は、保険料の負担がさらに増えます。前述の公的年金等控除を適用すると、年金収入400万円の人の所得は272万5000円となります。よって、保険料は以下のとおりです。

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介護保険料はどれくらい?(年金収入400万円の単身者)

出所:新宿区「介護保険料の決まり方」をもとに筆者作成

  • 基準額に対する割合:1.4倍
  • 保険料(月額):6600円×1.4=9240円

この場合は、月額1万円近い保険料を納めることになります。年金以外に定期的な収入がある場合や、生命保険の満期保険金、不動産の売却益などの収入を受け取った翌年は、1万円以上の保険料を負担する可能性もあるでしょう。

このように、同じ自治体に住んでいても、支払う保険料は収入や所得に応じて差が見られます。とくに、収入が多い人は、その分負担する保険料も多くなります。日々のお金の使い方によっては家計に影響を及ぼす可能性があるため、今一度支出の見直しが求められるでしょう。

次章では、介護保険料以外にシニア世代が負担するお金を解説します。