2. 金投資を理解するための「3つの特徴」
では、金とは本来どのような資産なのでしょうか。株式や債券とは異なる、金ならではの3つの特徴があります。
2.1 特徴1「実物資産」であり、価値がゼロにならない
資産は大きく「金融資産」と「実物資産」の2つに分けられます。
預金、株式、債券などの「金融資産」は、発行体の信用によって価値が担保されています。そのため、企業や国が破綻すれば、その価値はゼロになるリスク(信用リスク)が存在します。
一方、金や不動産などの「実物資産」は、モノ自体に価値があります。金そのものが存在する限り価値が完全に失われる可能性は低く、信用リスクは限りなく低いと言えます。
2.2 特徴2「有事の金」危機に強い
金は古くから「有事の金」と言われ、世界的な危機や景気後退期に価格が上がりやすい特徴があります。
実際に、リーマンショック後やコロナショック、ウクライナ侵攻といった社会不安が高まる局面では、金価格が上昇しやすい傾向が見られました。逆に、2013年頃からの世界的な景気回復・金融緩和の時期には、金価格は横ばいで推移しています。
直近の価格上昇についても、「中東情勢の不安定化や、各国の政治的不透明感といった『地政学リスク』の高まりが背景にある」と木村さんは見ています。
2.3 特徴3 株式とは異なる値動きをする「分散効果」
一般的に、金と株式は逆の動き(逆相関)をしやすいと言われています。株式が上がるときは金が下がり、株式が暴落するときに金が上がるといった動きです(ただし、2020年以降のように、似たような動きをする場面もあります)。
ポートフォリオの中に異なる値動きをする資産を組み入れることで、資産全体のリスクを抑える「分散効果」が期待できます。
著者
ミライド powered by モニクル総研
YouTube channel powerd by Monicle Institute of Research
「ミライド」は、モニクルグループのシンクタンクであるモニクル総研が運営する金融・経済YouTubeチャンネルです。証券アナリストの泉田良輔、木村敬子、ファンドアナリストの篠田尚子が研究員として在籍し、金融や経済ジャンルを中心に、ビジネス、テクノロジー、キャリア、ヘルスケア、スポーツに関わる話題などをアナリスト視点で深堀り解説します。データ分析やキーマンへのインタビューを通じて、ビジネスパーソンや一般投資家に役立ていただけるようなコンテンツを配信しています。(最新更新日:2025年12月5日)
監修者
京都大学文学部を卒業後、京都大学大学院文学研究科修士課程修了を経て、シティグループ証券、フィデリティ投信にて証券アナリストとして勤務。証券アナリスト時代はヘルスケア、小売、金融、半導体製造装置、テクノロジーなど様々な業界の産業分析、企業分析を担当。その後、Googleの広告営業部にてインダストリーアナリストとして営業チームの営業戦略立案やEコマース業界や旅行業界の顧客へのデジタルマーケティング提案に従事し、金融業界や消費財、化粧品、ラグジュアリー業界担当の営業チームの統括部長を歴任。2024年4月に、株式会社モニクルに参画し、同社執行役員 経営企画室長に就任。
モニクル総研では、金融業界でアナリストとして様々な産業分析、財務分析をしてきた経験、テクノロジー業界での実務経験、経営企画領域の担当経験や社外取締役の経験を元に、金融、投資、テクノロジー、コーポレート領域を中心にレポートを執筆。
カッパ・クリエイト株式会社 社外取締役。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。