新NISAなどで株式投資を始める人が増えていますが、ポートフォリオに「金(ゴールド)」まで組み入れている人は、まだ少数派かもしれません。しかし今、金価格は歴史的な高値圏にあり、最高値を更新し続けています。

本記事では、証券アナリストの木村 敬子さんが金融経済YouTubeチャンネル「ミライド」で解説された内容をもとに、なぜ今金が注目されているのか、本来どのような資産なのか、そしてどのようにポートフォリオに組み入れるべきかについてお伝えします。

1. 金の価格はここ20年で10倍以上に

金価格は現在、歴史的な高値圏にあります。特に日本国内においては円安の影響も加わり、この20年間で価格は10倍以上になっています。

長期的な金価格の推移:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」1/10

長期的な金価格の推移

出所:金融経済Youtubeチャンネル「ミライド」

このパフォーマンスを主要な株式インデックスと比較してみましょう。

まず「NASDAQ総合」で見ると、直近3年では米国主要ハイテク7社を含む同指数よりも、金の方が高いパフォーマンスを記録しています。

もちろん、20年という長期で見ればNASDAQの成長力には及びませんが、それでも金は主要株式指数に引けを取らない成績を残しています。

金VS日米株式インデックス(過去3年):詳しくは金融経済YouTube「ミライド」2/10

金VS日米株式インデックス(過去3年)

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また、「S&P500」や「日経225」との比較では、20年という長期スパンで見ても、この2つを上回る成績を残しています。

金VS日米株式インデックス(過去3年):詳しくは金融経済YouTube「ミライド」3/10

金VS日米株式インデックス(過去20年)

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金は本来「守りの資産」と言われますが、「長期的に見ても、主要株価指数を上回るパフォーマンスを示してきた」と木村さんは分析しています。

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2. 金投資を理解するための「3つの特徴」

では、金とは本来どのような資産なのでしょうか。株式や債券とは異なる、金ならではの3つの特徴があります。

2.1 特徴1「実物資産」であり、価値がゼロにならない

資産は大きく「金融資産」と「実物資産」の2つに分けられます。

預金、株式、債券などの「金融資産」は、発行体の信用によって価値が担保されています。そのため、企業や国が破綻すれば、その価値はゼロになるリスク(信用リスク)が存在します。

一方、金や不動産などの「実物資産」は、モノ自体に価値があります。金そのものが存在する限り価値が完全に失われる可能性は低く、信用リスクは限りなく低いと言えます。

金の特徴①実物資産である:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」5/10

金の特徴1:実物資産である

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2.2 特徴2「有事の金」危機に強い

金は古くから「有事の金」と言われ、世界的な危機や景気後退期に価格が上がりやすい特徴があります。

実際に、リーマンショック後やコロナショック、ウクライナ侵攻といった社会不安が高まる局面では、金価格が上昇しやすい傾向が見られました。逆に、2013年頃からの世界的な景気回復・金融緩和の時期には、金価格は横ばいで推移しています。

直近の価格上昇についても、「中東情勢の不安定化や、各国の政治的不透明感といった『地政学リスク』の高まりが背景にある」と木村さんは見ています。

金の特徴②危機に強い:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」6/10

金の特徴2 危機に強い

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2.3 特徴3 株式とは異なる値動きをする「分散効果」

一般的に、金と株式は逆の動き(逆相関)をしやすいと言われています。株式が上がるときは金が下がり、株式が暴落するときに金が上がるといった動きです(ただし、2020年以降のように、似たような動きをする場面もあります)。

ポートフォリオの中に異なる値動きをする資産を組み入れることで、資産全体のリスクを抑える「分散効果」が期待できます。

金の特徴③ 株や債券と値動きの相関性が低い:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」7/10

金の特徴3 株や債券と値動きの相関性が低い

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3. 金投資のデメリットは「利息」がつかないこと

金投資のデメリットとしてよく挙げられるのが、「配当や利息がない」ことです。

株式には配当金があり、債券には利息があり、不動産には家賃収入があります。しかし、金を持っているだけでは何も生み出しません。

この「安定した収入がない」ことはデメリットに見えますが、裏を返せば「金はリスクに対する対価(プレミアム)を払う必要がない安全資産である」とも捉えられます。「収益を生まない代わりに、発行体の信用に依存せず、価値そのものを保有できる点が金の特徴」だと木村さんは説明します。

資産クラスごとの特徴:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」8/10

資産クラスごとの特徴

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4. 金価格を動かす3つの要因

金価格は何によって動くのでしょうか。 主な要因として、木村さんは以下の3つを挙げています。

一つ目は「需要と供給」です。金の用途は、宝飾品向け(約50%)が最も多く、次いで投資需要(40%)、工業用(10%)という構成になっています。特に近年は、中国やインドなど経済成長が著しい国々での宝飾品需要や投資需要が増加しており、価格の下支えとなっています。

二つ目は「地政学リスク」です。戦争やテロ、政情不安などが起きると、「安全資産」としての金に資金が集まりやすくなります。

そして三つ目が「インフレ」です。モノの値段が上がるインフレ時には、実物資産である金の相対的な価値も高まります。

金価格は何の影響を受けて動くか?:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」9/10

金価格は何の影響を受けて動くか?

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5. ポートフォリオの「名脇役」として

金は、資産全体を増やす攻めの主役というよりは、資産を守る「名脇役」です。「価値がゼロにならない実物資産としての保全性」と「株式や債券と異なる値動きによる分散効果」が期待できます。

投資の入り口としては、資産全体の「10%〜15%」を目安に保有するのが良いと言われています。

株式や債券でリターンを狙いつつ、万が一の危機には金で資産を守る。「攻め」と「守り」をうまく組み合わせることこそが、長期的な資産形成を成功させるカギと言えるでしょう。

6. ポイントまとめ

ここまで、なぜ今金が注目されているのか、本来どのような資産なのか、そしてどのようにポートフォリオに組み入れるべきかについて、見てきました。最後に、記事の主なポイントをまとめます。

  • 金は20年で価格が10倍になり、株式にも劣らないパフォーマンスを見せている
  • 「実物資産」であるため、価値がゼロになるリスクがない
  • 「有事の金」として、危機に強く、株式と異なる値動きをする
  • 利息はつかないが、その分「信用リスクがない」という安心感がある
  • 資産全体の10〜15%を目安に保有するのがおすすめ

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