60歳代で働く人が増える今、本格的な老後スタートは70歳からという人も少なくありません。
仕事を辞めてリタイアすれば、主な収入は年金、そして貯蓄を切り崩していくという生活をする方が多いでしょう。
人生100年時代の現代において、70歳でリタイアしても残り30年以上あるという人も。長生きは喜ばしいことですが、その分の老後資金を用意しておきたいところです。
今回はおひとりさまに視点をあて、その生活費、貯蓄額、年金月額を深掘りします。
「現役時代に老後に向けてどれだけ備えるか」が重要になりますので、平均を把握した上で、自身の計画を立ててくださいね。
1. 老後の平均的な月の生活費、いくらかかる?老後にいくら必要か
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を参考に、まずは65歳以上でリタイアした方の月の生活費を確認しましょう。
1.1 65歳以上の無職単身世帯の家計収支
実収入の月額平均:13万4116円
■うち社会保障給付(主に年金):12万1629円
支出の月額平均:16万1933円
■うち消費支出:14万9286円
- 食料:4万2085円
- 住居:1万2693円
- 光熱・水道:1万4490円
- 家具・家事用品:6596円
- 被服及び履物:3385円
- 保健医療:8640円
- 交通・通信:1万4935円
- 教育:15円
- 教養娯楽:1万5492円
- その他の消費支出:3万956円
- うち諸雑費:1万3409円
- うち交際費:1万6460円
- うち仕送り金:1059円
■うち非消費支出:1万2647円
- 直接税:6585円
- 社会保険料:6001円
月々の家計収支の結果
- 2万7817円の赤字
上記を見てわかる通り、収入は13万4116円、支出は16万1933円。
当然個人差があり、特に年金収入は現役時代の加入状況により異なるので、早くからねんきんネットなどで自身の見込み額を確認しましょう。
支出に関しても個人差が大きいもの。賃貸であれば家賃が、車を保有していたりすれば車の維持費用がかかります。
それらを見据え、できるだけ支出を抑える住まいなどを考えたいところ。
とはいえ、老後病院に通うなども考えて自身にとっての最適な住まいを考えたいものですね。
2. 最新【70歳代おひとりさま】平均貯蓄額はいくら?中央値は?
次に金融経済教育推進機構「2025年家計の金融行動に関する世論調査」を参考に、最新の30~70歳代の貯蓄額をみていきます。
2.1 30代・単身世帯
- 金融資産非保有:32.3%
- 100万円未満:14.2%
- 100~200万円未満:14.2%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~700万円未満:5.5%
- 700~1000万円未満:3.1%
- 1000~1500万円未満:5.5%
- 1500~2000万円未満:4.3%
- 2000~3000万円未満:2.5%
- 3000万円以上:3.4%
- 無回答:3.1%
- 平均:501万円
- 中央値:100万円
30歳代の平均は500万円超え、中央値は100万円でした。
2.2 40代・単身世帯
- 金融資産非保有:32.1%
- 100万円未満:15.1%
- 100~200万円未満:7.1%
- 200~300万円未満:5.9%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.2%
- 1500~2000万円未満:1.2%
- 2000~3000万円未満:2.8%
- 3000万円以上:9.9%
- 無回答:2.5%
- 平均:859万円
- 中央値:100万円
40歳代の場合、中央値は30歳代と変わりません。平均が859万円に増えています。
2.3 50代・単身世帯
- 金融資産非保有:35.2%
- 100万円未満:10.1%
- 100~200万円未満:7.4%
- 200~300万円未満:4.6%
- 300~400万円未満:2.7%
- 400~500万円未満:3.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.0%
- 1500~2000万円未満:3.3%
- 2000~3000万円未満:5.5%
- 3000万円以上:10.4%
- 無回答:1.9%
- 平均:999万円
- 中央値:120万円
50歳代でもやはり中央値はあまり差が見られませんでした。
2.4 60代・単身世帯
- 金融資産非保有:30.4%
- 100万円未満:9.1%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:2.4%
- 300~400万円未満:4.5%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.0%
- 700~1000万円未満:4.8%
- 1000~1500万円未満:8.1%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:5.5%
- 3000万円以上:15.6%
- 無回答:2.2%
- 平均:1364万円
- 中央値:300万円
平均は順調に増えており、60歳代で1000万円を超えます。
2.5 70代・単身世帯
- 金融資産非保有:20.4%
- 100万円未満:7.1%
- 100~200万円未満:8.1%
- 200~300万円未満:4.2%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:3.5%
- 500~700万円未満:6.9%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:7.3%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:7.9%
- 3000万円以上:17.5%
- 無回答:1.2%
- 平均:1489万円
- 中央値:500万円
70歳代では中央値は500万円に、平均は1500万円近くとなりました。
生活費の補填や車や家電などの買い替え、病気や介護費用などを考えると中央値では不安がある方も。平均を目指すのも一つでしょう。
3. 最新!厚生年金と国民年金の全体の平均年金月額はいくら?
最後に厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、60歳以上の国民年金と厚生年金の全体の平均年金月額も確認します。
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
3.1 国民年金の男女別平均月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582円
男性は6万円台、女性は5万円台となっています。
3.2 厚生年金の男女別平均月額
- 〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金を含む
厚生年金は男性だと17万円近く、女性は11万円台となりました。
4. おひとりさまでも公的年金の受給額必要な老後資金は異なる
おひとりさまの老後に視点を当ててみてきましたが、厚生年金か、国民年金かで老後の収入が大きく変わりました。
現役時代から自分はどちらであり、ねんきんネットなどで老後の年金見込み額を確認することで、必要な老後資金の目安を考えやすくなるでしょう。
いずれにせよ、現実から目を背けず「具体的な金額」を把握することで、老後までのキャリアや住まい、交通手段、貯蓄方法なども考えやすくなるものです。
おひとりさまだからこそしっかりと現実を見据え、早くから自身に老後に備えましょう。
