3. まとめ

「変動10年」の最大の強みは、日銀の利上げ局面において受取利息が「後から増えていく」柔軟性にあります。

実際に2023年発行の第158回債の例では、当初0.28%だった利率がわずか2年半で1.10%まで上昇し、利息は約4倍に膨らみました。

今回の日銀による追加利上げ決定は、この上昇トレンドをさらに加速させる強力なトリガーとなります。まさに、持っているだけで金利上昇の恩恵を享受できる「攻めの安全資産」と言えるでしょう。

市場金利に連動するリスクはありますが、年0.05%の最低保証がある点は大きな安心材料です。

12月の募集は30日まで。現時点で利率の高い「固定5年」か、利上げの波に乗る「変動10年」か。物価高と金利上昇が同時進行する今、国が元本を保証する国債を賢く活用し、インフレに負けない家計の土台作りを検討してみてはいかがでしょうか。

※再編集記事です。

参考資料

和田 直子