株式市場の振り返り-やや荒い値動きの中、日経平均株価は今年初の5日続伸

2019年4月17日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,277円(+56円、+0.3%) 5日続伸
  • TOPIX 1,630.6(+4.2、+0.3%) 反発
  • 東証マザーズ株価指数 943.6(+11.4、+1.2%) 反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,220、値下がり銘柄数:803、変わらず:118
  • 値上がり業種数:21、値下がり業種数:12
  • 年初来高値更新銘柄数:200、年初来安値更新銘柄数:38

東証1部の出来高は12億7,095万株、売買代金は2兆3,628億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米国株の上昇に加え、日米貿易交渉や中国経済の先行きに対する懸念が薄れたことで、リスクオンモードが強まりました。

他方、様子見スタンスの投資家も少なくなく、売買代金は増加したものの、2兆5,000億円には届かなかったようです。

そのような中、日経平均株価はやや荒い値動きを見せた後、膠着状態となりました。前場は寄り付きから高く推移した後、半ば過ぎに一時▲35円安まで急落する場面がありましたが、その30分後には一時+123円高(年初来高値を更新)まで切り返すといった値動きに。ただ、後場は一転して膠着状態となり、結局はそのまま引けた形となりました。

終わってみれば、今年初の5日続伸となり、ザラバでは12月4日以来の22,300円台乗せとなっています。

なお、TOPIXも同じような値動きで反発し、年初来高値を更新しました。

東証マザーズ株価指数は反発、売買代金は50日連続で1,000億円超え

東証マザーズの出来高は9,566万株、売買代金1,844億円となり、いずれも前日より増加しました。ここ数日一巡感が出ていた個人投資家の物色意欲が急回復し、活況な商いとなりました。出来高は1億株には届かなかったものの、売買代金は2,000億円も視野に入る高水準となっています。

また、株価指数も反発して引けました。900ポイント割れの懸念は大きく遠のきましたが、ここから1,000ポイントを目指すかどうか注目されましょう。

ファーストリテイリングが上場来高値を記録、セブン&アイHDは連日の年初来安値更新

個別銘柄では、株価指数への寄与度の高いファナック(6954)や東京エレクトロン(8035)が年初来高値を更新し、ファーストリテイリング(9983)は上場来高値を記録しました。

また、日米貿易交渉に対する悲観論が薄れたことなどから自動車株が軒並み値を上げ、トヨタ自動車(7203)とマツダ(7261)が年初来高値を更新し、株価下落が続いていたスズキ(7269)も急反発しています。さらに、中国の景気回復期待から機械・設備投資関連株も買われ、安川電機(6506)、ディスコ(6146)、マキタ(6586)も年初来高値更新となりました。

その他では、前日の通信株急騰時に一人蚊帳の外だった楽天(4755)が+10%超高の爆騰で引けたことが目を引きました。

一方、小売株の一角に対する売りが継続し、セブン&アイ・ホールディングス(3382)が連日で年初来安値を更新し、高島屋(8233)、良品計画(7453)、イオン(8267)なども安値更新となりました。ただ、良品計画とイオンはその後に買い戻されて終値は上昇しています。

その他では、ソフトバンクグループ(9984)が反落となり、ハイテク株ではオリンパス(7733)が大幅安となったのが注目を集めました。なお、前日に急騰したNTTドコモ(9437)とKDDI(9433)はともに小反落で引けています。

新興市場(東証マザーズ)では、サンバイオ(4592)が久々に値を飛ばしてストップ高となり、株価下落が続いたZUU(4387)も一時+17%超高の爆騰となりました。また、ロゼッタ(6182)も急騰して高値更新となっています。

葛西 裕一