3. 65歳なってから知るのは遅すぎる!【2025年の年金制度改正】で、何が、どう変わる?

2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が参議院本会議で可決され、法律として成立しました。

この改正は多様化する働き方や家族構成、ライフスタイルを踏まえた年金制度を目指すものです。また、私的年金制度の拡充や所得再分配の強化などによって、シニアの暮らしの安定に繋げることなども大切な狙いです。

今回の改正の全体像を見ておきましょう。

3.1 主な改正内容

社会保険の加入対象の拡大

  • 中小企業において短時間で働く人などが、厚生年金や健康保険に加入し、年金増額などのメリットを受けられるようにする

在職老齢年金の見直し

  • 年金を受け取りながら働くシニアが、年金を減額されにくくなり、より多く働けるようにする

遺族年金の見直し

  • 遺族厚生年金の男女差を解消。子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする

保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

  • 月収が一定以上となる人が、賃金に応じた年金保険料を負担し、現役時代の賃金に見合った年金を受給しやすくする

その他の見直し

  • 子どもの加算などの見直し、脱退一時金の見直し
  • 私的年金の見直し:iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)加入年齢の上限引き上げなど

上記の改正内容からも、公的年金は「老後の受給額」だけの話ではなく、現役世代の働き方やキャリアプラン、人生設計とも深い関わりを持つことが分かります。

4. まとめにかえて

老齢年金以外にも、シニア世代が活用できる公的給付は多く存在します。

こうした制度の多くは、今回ご紹介した各種給付のように、手続きを行わないと受給できない「申請主義」をとっています。

本来受け取れるはずの支援を逃さないよう、ご自身やご家族に受給資格があるかどうか、今一度確認してみることをお勧めします。

物価高騰や医療費の増加が続くいま、公的年金だけでゆとりある生活を維持することは簡単ではないでしょう。

資産運用や保険の活用といった「自助努力」による備えと同時に、公的支援制度という「セーフティネット」へのアンテナを常に張っておくことが、将来の安心へとつながります。

参考資料

菅原 美優