年末に向けて忙しい時期ですが、出費も重なるものです。「このままで家計は大丈夫かな」「老後はどうやってやりくりすればいいのだろう」と考える方もいるのではないでしょうか。
特に年金で暮らすシニア世代では、毎月の収入が限られます。現役世代のように残業や副業などで収入を増やすことが難しいため、日々の物価上昇は大きな懸念点となるでしょう。
収入・支出のバランスを早くから考えることが大切です。そして意識しておきたいのが、「申請しないともらえないお金」についてアンテナを張ることです。
たとえば、老齢基礎年金を受給している65歳以上の人のうち、一定の要件を満たすと「年金生活者支援給付金」がもらえます。こちらは申請が必須となっているので、見逃さないように注意が必要です。
本記事では、年金生活者支援給付金の対象者や金額、請求方法について、わかりやすく解説していきます。
1. 「年金生活者支援給付金」ってどんな制度?年金に上乗せでもらえる!
年金生活者支援給付金は、老齢年金・障害年金・遺族年金の受給者のうち、所得が一定基準以下の人を対象に、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給される給付金のことです。
給付額は毎年度見直されており、物価の動きなども踏まえて調整される仕組みになっています。
1.1 年金生活者支援給付金制度の財源
年金生活者支援給付金制度は、2019年10月の消費税率引き上げ(8%→10%)にあわせて創設されたもので、この消費税引き上げ分が財源となっています。
所得が少なく、年金額も低い高齢者や障害・遺族年金受給者の生活を支えることを目的としています。
この制度の目的は、年金生活者支援給付金の支給に関する法律第1条にも明記されています。
「この法律は、公的年金等の収入金額と一定の所得との合計額が一定の基準以下の老齢基礎年金の受給者に国民年金の保険料納付済期間及び保険料免除期間を基礎とした老齢年金生活者支援給付金又は保険料納付済期間を基礎とした補足的老齢年金生活者支援給付金を支給するとともに、所得の額が一定の基準以下の障害基礎年金又は遺族基礎年金の受給者に障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金を支給することにより、これらの者の生活の支援を図ることを目的とする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」
つまり、公的年金だけでは生活が難しい人に対し、年金に上乗せする形で給付金を支給し、最低限の生活を保障することを目的とした制度だといえるでしょう。