欧州市場は10月の相場水準に戻った1週間

先週(2015年11月30日‐12月4日)の世界の主要株式市場は、欧州市場の大幅な下落が目立った週でした。

欧州中央銀行理事会で金融緩和策が強化されましたが、市場の期待には届かない内容となりました。それを受けて欧州株が売られ、ユーロが買われ、欧州債は売られました。いずれもおおむね10月の相場水準に戻っています。また、ユーロが対ドルで買い戻されたこともあって金などの貴金属が買われています。

週末に発表された米国の11月雇用統計は、雇用の着実な拡大を示しており、12月15~16日に予定される米国の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測をさらに後押しする内容でした。米国株式市場は欧州株の下落を受けて下げていましたが、雇用統計を受けて買い戻され、週間で見るとほぼ横ばいに終わりました。

日本株は欧州株の下落を受けて東京市場では下げて終わりました。しかし、週末の米国市場の株高を受けて、先物は上昇しています。

OPECでは原油の生産調整に合意できず、原油価格は改めて下げています。

先週の主要市場の動き
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注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

年初来の主要市場の動き
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注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

米国のFOMCを翌週に控え日本の材料に目が向きそうな1週間へ

今週(12月7日‐12月11日)は日本市場の材料に目が向きそうな1週間です。

欧州、米国の当面の金融政策の方向性が見えてきました。そこで、今週は欧米景気に加えて、アジアに注目が移りそうです。特に、日本の7-9月GDP改定値(12月8日)と、12月12日の中国の鉱工業生産などの景気指標で、両国の景気指標に持ち直しの兆候が見えるか注目です。

なお、12月12日は日本の株式指数の先物・オプションの清算日のため、短期的な需給の変動により、相場が大きく振れる可能性があります。

再来週には米国の金融政策を決めるFOMCと日銀短観が控えます。これを超えるとクリスマスシーズンに入るでしょう。

LIMO編集部